目次
Webサイトにおけるテストとは?
Webサイトのテストは、ソフトウエアのテストをしている最中にするのが一般的です。主な目的は、Webアプリケーションの品質のチェックです。
公開前にテストをすることによって、セキュリティやパフォーマンス、機能、ユーザビリティ、互換性などユーザーがWebサイトを閲覧するうえで課題となる点を解決できるのです。
Webサイトの構築時に実施すべき5つのテスト
Webサイトを構築する際に次の5つのテストを実施する必要があります。
- 機能テスト
- パフォーマンステスト
- ユーザビリティテスト
- 互換性テスト
- セキュリティテスト
1.機能テスト
Webサイトを構築する上で、次の3種類の機能テストが必要です。
- リンク
- セッションやクッキー
- フォーム
リンク
リンクには、内部リンクと外部リンク、メールリンクなどが挙げられます。これらのリンクが切れていると、ユーザーを必要なWebページに誘導できません。さらに、リンクが切れているとWebサイト全体の評価を落とすことにもつながります。
セッションやクッキー
クッキーとは、ブラウザを使ってユーザーの情報を任意の場所に保存することです。クッキーが正常でなければ、必要な情報が保存されません。クッキーが正常に動いているかどうかを確認するために、セッションテストをおこないます。
フォーム
WebフォームはWebサイトを閲覧している中でもっともよく利用される項目の1つであり、購入や会員獲得などのコンバージョンにもつながります。そのため、Webサイトのテストのうちもっとも重要な作業の1つです。
それぞれのフィールドに対するロジックの検証や、必須フィールドは適切か、エラーメッセージがでるか、無効な入力値を入れるとどうなるかなど、確認するべきことは多岐に渡ります。
2.パフォーマンステスト
次にパフォーマンステストをおこないます。パフォーマンステストとは、複数のリクエストを同時にしたり、大量のデータ入力したりなどの特定のアクセスケースを想定したテストのことです。
想定以上にユーザーが多すぎるとWebサイトが開かなくなることがありますが、このような事態が起こらないようにあらゆる想定をすることが重要です。
トラフィックが多い時間帯のパフォーマンスをチェックしたり、特定の接続速度に対して応答時間を確認したりなど、様々な場面を想定してテストをおこないます。
3.ユーザビリティテスト
パフォーマンステストが終わったら、ユーザビリティテストをおこないます。ユーザビリティテストとは、仕様書などからテストすべき項目を洗い出し、システムの内部構造を考慮せずに実施する「ブラックボックステスト」の1つであり、ユーザーの視点になることが重要です。
ユーザーが使いやすいWebページであるかどうかの確認をすることが重要であり、ユーザーインターフェースが使いやすいのか、またセキュリティが充実しているのかなどの確認をします。
ユーザビリティが悪いWebサイトは離脱につながってしまいます。主に次のような項目をチェックします。
- 検索機能がわかりやすいか
- すべての推奨ページにアクセスしやすいか
- 誤字脱字がないか
- 背景色やフォントなどのチェック
- さまざまな言語に対応しているか(必要な場合)
4.互換性テスト
ユーザビリティテストが終わったら、互換性テストをおこないます。互換テストにおいて、さまざまなブラウザ(Chrome、Safari、IE、Firefox、Opera)においてテストし、それぞれのブラウザで正常に表示されるかを確認していきます。
コンテンツ以外にも画像が完全に表示されているか、フォントやavascriptコード、アニメーションGIFが正しいかの確認も必要です。
5.セキュリティテスト
互換性テストが終わったら、最後にセキュリティテストをおこないます。
セキュリティが充実していないWebサイトは、情報の漏洩など大きなトラブルになる可能性があります。
セキュリティテストでは、次のようなことを確認する必要があります。
- 内部リンクページでログインが必要な場合に適切なメッセージが表示されているか
- ファイルのダウンロード制限を確認
- Webファイルやフォルダに正常通りアクセスできるか
- ログイン時のCAPTCHA設定
- クエリ文字列のパラメーターを変更することによりアクセスしようとしていないか
- ユーザーIDやパスワードの確認
- 一定の時間Webページを離れることでセッションが失効するように設定
Webサイトのテストでよくある4つの課題
Webサイトのテストをする際に次の課題に直面する可能性があります。
- ステージング環境が用意できない
- すべてのデバイスでテストするのは難しい
- テストの期待値を定義しづらい
1.ステージング環境が用意できない
主にコスト面の問題において、本番環境に可能な限り近い環境を指す「ステージング環境」が用意できない場合があります。特に、ランディングページの制作など小規模な制作時にステージングを用意できないときがあります。
ステージング環境がない場合は、本番でテストをする必要がある上に、運用後は十分なテストができないという課題が残ります。テストが十分にできず不具合が発生しやすいといった新たなリスクが発生することもあるので、ステージング環境はできるだけ用意するようにしましょう。
2.すべてのデバイスでテストするのは難しい
近年ではWindowsやMacといったパソコン以外にタブレットやスマートフォンなどさまざまなデバイスが活用されています。OSだけでもさまざまな種類があり、すべてのデバイスでテストするのは容易ではありません。
そのため、一般的には代表的なデバイスを用いてテストを実施します。よって、定義に含めるデバイスの種類が増えるとその分、テスト工数がかさみます。
3.テストの期待値を定義しづらい
Web制作におけるテストでは、「正常に表示している」などのようにあいまいに定義されることが一般的です。しかし、担当者によって解釈が異なると、テストの期待値を定義できないことがあります。
特に、アニメーションのテストにおいては、何をもって正常と判断するのかが明確にできずテストがなかなか終わらない、または重要な部分をテストできないといったケースがあります。そのような場合は、フロントエンドのエンジニアやデザイナーに協力してもらうようにしましょう。
まとめ
ここまで、Webサイトの構築時に実施すべきテストについて解説しました。Webサイトにおけるテストは、全体のデザインと開発のプロセスにおいて重要な役割を果たします。
そのため、Webサイトを制作する際は綿密なテストプロセスを持つ必要があります。リリース後のエラーや手戻りを未然に防ぐためにも、今回ご紹介した内容を参考にしてサイト作成を進めてみてください。