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運用設計とは何?種類や検討すべき項目、ポイントをわかりやすく解説!

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運用設計とは何?種類や検討すべき項目、ポイントをわかりやすく解説!

システムを稼働させていくうえで、トラブル発生はつきものです。システム開発時に「運用設計」をしておけば、これらのトラブルにすぐに対応でき、システムを円滑に稼働させられるでしょう。

ほかにもシステム利用者や利用場面に合わせた、システムの効率化・最適化にもつながるなどのメリットもあります。この記事では運用設計の種類やポイントをわかりやすく解説します。運用設計について理解できれば、より質の高いシステム開発が可能になるでしょう。

イッパイアッテナ

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運用設計とは?

運用設計とは?

運用設計とは、システムを公開した後も安定して運用できるようにシステム運用の全体的な枠組みを作ることです。設計内容は、おもにトラブル対応方法日常的に必要な処理など、システムを運用するために必要な情報です。

ここからは運用設計について、さらに詳しく解説します。システム開発初心者や、運用設計についてよく分からない人はチェックしてみましょう。

システム運用が上手くいかない原因

運用設計の一番大きな目的は「安定したシステムの稼働」です。安定したシステム運用ができない原因としては次のことがあげられます。

  • 運用が属人化している
  • システムトラブルの対応方法が曖昧で解決に時間がかかる
  • システム運用の内容・方法が利用者に合っておらず使いづらい

システム運用が属人化すると、トラブル発生時に迅速な対応ができなかったり、1人に対する業務量が増えたりするため効率的な運用はできません。とくに最近は人員不足により、限られた人材のなかで業務をこなす必要があり、属人化を防ぐことは必須でしょう。

またシステムトラブルへの対応が遅れると、通常の業務や生活に支障が出る可能性があります。解決まで時間をかけずにスムーズに対応するためにも、システムトラブルが発生した場合の対応方法について詳細で分かりやすい設計が欠かせません。

さらに、システムのスペックが高くても利用者や利用場面を考慮した機能がなければ質が高いとはいえません。運用設計でシステムの使用環境についても考慮すれば、より最適化したシステムを開発できるでしょう。

設計するタイミング

運用設計は、開発と同時に行うのがおすすめです。開発後に不具合が発覚すると、その都度改善するためにコストや時間がかかります。円滑な運用に必要な設計を開発時に組み込めていれば、開発後はスムーズに運用できます。

また、実際に運用してみると開発時に気が付かなかった課題や改善点が見えてくるため、運用後も定期的な設計の見直しが必要です。

開発設計との違い

開発設計は、システムの機能やサービス内容など、システムの内容に関することを設計します。使用環境などはとくに考えず、必要なサービスを組み込んだ設計です。

運用設計では利用者や利用場面など、システムの使用環境を考慮し、円滑にシステムを稼働させるための設計です。開発設計で考慮しきれなかった部分を補うための設計ともいえるでしょう。

運用設計における3つの種類

運用設計における3つの種類

運用設計は以下の3つの種類に分けられます。

  1. 業務運用設計
  2. 基盤運用設計
  3. 運用管理設計

それぞれきちんと設計することで、運用者も利用者も使用しやすいシステム運用ができるでしょう。ここからは3種類の運用設計について、詳しく解説します。

1. 業務運用設計

業務運用設計とは、運用者と利用者がどちらも円滑にシステムを利用できるように行う設計です。具体的には、システムが正常に起動・稼働・停止できているか監視する方法や、システム異常終了時の復旧方法などを定義・設計します。

またサポートデスクの運用についても対応をマニュアル化することで、属人化を防ぎ利用者からの問い合わせに迅速な対応ができます。

2. 基盤運用設計

基盤運用設計では、安定した基盤でシステムを運用するために必要なことを定義します。具体的にはシステムにトラブルが発生したときのバックアップデータを作成したり、復旧に必要な手順をまとめておくことなどです。

またシステム全体の監視やアクティビティログの管理、業務アカウントの管理などのルールも定めます。大まかに考えると、業務運用設計は利用者向け、基盤運用設計は運用者向けの運用設計といえるでしょう。

3. 運用管理設計

運用管理設計では、システム運用に関わる全ての人に共通するルールを設計します。システム運用側でルールを統一することで、利用者の業務運用設計や基盤運用設計の基準も一貫性が保たれます。

もし2つの設計が異なっていると、トラブル発生時に混乱が生じ、対応が遅れる原因となる可能性があります。これらを統一することで、トラブルの発見から解決までをスムーズに行うことができ、システムの円滑な運用が実現します。

運用設計で検討すべき8つの項目

運用設計で検討すべき8つの項目

ここでは、運用設計の際に検討すべき項目を8つご紹介します。開発と同時に進めることで運用後の修正を減らし、使いやすく円滑なシステム開発につながります。開発の際は以下の項目を参考に設計するといいでしょう。

1. 基本方針

システム開発の設計書を参考に、運用設計の目標や概要、必要な設計や開発スケジュールなどの基本方針を作成します。1番初めの時点で決めておくべき内容が多いため、開発設計と同じタイミングで決定するといいでしょう。

2. 対象システムの内容

システムの使用目的など、具体的な内容について定義します。以下のような項目が定義されることが多いでしょう。

  • システムの使用目的
  • システムの運用者(顧客・自社など)
  • システムの利用者
  • システムにトラブルが発生したときの影響
  • 稼働時間
  • アクセスが集中しやすい時間帯

システムを使用するペルソナ(使用する人の状況や属性)について細かく定義することで、対策すべきトラブルや必要な機能が明確になるため、システムをより最適化・効率化できます。

たとえば、アクセスが集中しやすい時間帯はサーバーがダウンする可能性があります。あらかじめリスクがわかっていれば、トラブルを未然に防ぐ方法がわかるため、システムの円滑な運用につながるでしょう。

3. 管理対象

システムの具体的な内容が決まったら、システムを運用するために必要な管理対象をまとめます。以下のようなものが管理対象としてあげられるでしょう。

  • OS
  • アプリケーション
  • バックアップデータ
  • ログファイル
  • サーバー
  • ネットワーク機器
  • ミドルウェア
  • ハードウェア

管理対象を明確にしておくことで、運用後もシステム管理がしやすくなります。管理対象がまとまっていない・開発者など一部の人しかわからない場合、トラブル対応が遅れたりシステム管理が属人化する恐れがあるため注意が必要です。

運用者全員に管理対象を共有し、効率よく運用するためにまとめておく必要があるでしょう。

4. 構成情報

管理対象が決まったら、システムの構成情報をまとめましょう。以下のような項目が構成情報に当てはまります。

  • 設定情報
  • ライセンス情報
  • グループポリシー
  • ネットワーク構成図
  • データセンター情報

5. 障害対応の手順

システム運用にトラブル発生はつきものです。そのため、事前にトラブル発生を見越して対応手順を準備しておく必要があります。具体的には次のようなことを考慮して手順を検討しましょう。

  • 対応時間
  • 対応体制
  • 障害対応レベル
  • システム障害の監視内容や方法、通知に関すること
  • 取得するログの内容

トラブル発生をすばやく検知するために、システム障害の監視・通知をする必要があります。そのため、システム障害をどのように監視し担当者に通知するのか、具体的に定義することが必要です。

また、トラブル発生の対応時間は24時間365日体制なのか、平日日中のみなのかなども決めておく必要があります。業務中など平日日中のみの使用や、ECサイトのように24時間365日使用する場合など、使用環境や用途にあわせて対応体制を設定しましょう。

トラブル対応で最も重要なことは、トラブル対応手順です。手順が明確でなければ対応に時間がかかるため、発生し得るトラブルを予測し対応手順をまとめておくことが大切です。具体的には復旧手順やエスカレーション方法、復旧終了条件などがあげられます。

6. 運用体制

運用体制では、運用に必要な役割分担をしてそれぞれのポジションを設定します。おもに統括責任者や運用責任者、保守担当などの役割があげられます。

また、社内の人間のみで運用をするのか、外部の人間に委託運用するのかも決めておく必要があるでしょう。

7. 定常作業

定常作業とは、システムを円滑に運用するために定期的に実施する必要がある作業のことです。以下のような項目が該当します。

  • バックアップ
  • 定期メンテナンス
  • 定期リリース
  • 定期レポート作成
  • マスタ更新
  • ジョブ管理
  • ログ管理

これらを定期的に実施することでトラブルを未然に防いだり、万が一トラブルが発生しても素早く復旧させたりしやすくなります。

運用設計時に、定常作業はそれぞれどのくらいの頻度で実施するのか具体的にスケジューリングしておくことで円滑な運用につながるでしょう。

8. セキュリティ対策

システムを運用するうえで情報漏洩や不正アクセスに対するセキュリティ対策は必須です。場合によっては顧客情報や社内機密事項が漏洩するなど業務に支障を及ぼすだけでなく、社内外の人に迷惑をかけてしまう恐れがあるため、セキュリティ対策は徹底して行いましょう。

適切な運用設計を行うためのポイント

適切な運用設計を行うためのポイント

円滑な運用を継続するために、以下のポイントに注意して運用設計をしましょう。

  • システムの停止を最大限防いだ設計にする
  • 情報漏洩を防ぐ
  • 提供サービスのクオリティを高く保つ
  • 専門業者にアウトソースする

システムの停止は非常に損害が大きいため、安定して稼働させるための設計を重要視する必要があります。

特にメンテナンスや障害復旧までの時間など、なるべく短時間で終了できるように設計することが大切です。また、提供サービスを常に最新かつ高品質の状態を保つことも重要なポイントです。

社内のみで運用設計をする場合、リソースが不足する可能性もあります。その場合は専門業者に依頼をすることでこれらのポイントをクリアした運用設計をしやすくなります。円滑な運用のためにも、必要なところは業務委託をして補いましょう。

まとめ

まとめ

今回は運用設計について、検討すべき項目や重要なポイントについてご紹介してきました。システムを円滑に運用するには、トラブルを未然に防いだり常に高品質を保ったりすることが必須です。

開発の段階でこれらの設計をしておけば、利用場面に合わせて最大限効率化・最適化された状態でシステムを運用できます。自社のみで運用設計が難しい場合は専門業者に依頼するなどして、より質の高いシステム開発を行いましょう。

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