目次
ホームページが閲覧できるようになる仕組み
ホームページは、サーバーというデータを保管する場所に画像やHTMLファイルなどを保存し、ドメインを利用して表示する仕組みになっています。
それぞれの要素別に解説していきます。
HTMLなどのファイル
ホームページをユーザーに見てもらうためには、データをサーバー上に保存する必要があります。データをサーバーに保存することをアップロードと呼びます。
制作者側のパソコン内にデータがあっても、ユーザー側のパソコンにはデータがないため、サーバーにデータをアップロードしなければなりません。
サーバー
サーバーとは、インターネット上にあるデータを保管する場所のことです。サーバーはあらゆるサービスで利用されており、ホームページの閲覧やメールの送受信、SNSなど多くの場面で役割を果たします。
たとえば、ホームページにアクセスがあった場合、サーバーに保管されている画像やHTMLファイルなどのデータを取り出し、パソコンやスマートフォンのブラウザに表示するような仕組みになっています。
このように、サーバーには「データを保存する場所で、ユーザーからの要求があった場合、保存しているデータから一致するものを提供する」といった役割があるといえます。
ドメイン
ドメインは、Web上における住所のようなものです。
このドメイン名は、Webサイトがどこにあるのかを表すIPアドレスと紐づいているため、ドメインを入力すると特定のWebサイトが閲覧できるようになります。
ファイル、サーバー、ドメインの3つの仕組みが組み合わさることで、Webサイトが閲覧できるようになっています。
サーバーの種類と役割
どのようにしてホームページを閲覧できるか理解したところで、ホームページを運用する上で必要となる代表的なサーバーの種類と役割を解説します。
Webサーバー
Webサーバーは、Webサイトにアクセスがあった際に、そのリクエストに応じてデータを取り出してブラウザに表示しています。
Webサーバーには、Web上でHTMLファイルやデザインを調整するCSS、画像やアプリケーションなどのファイルが保管されているため、Webサイトを運営する上で利用は必須です。
FTPサーバー
FTP(File Transfer Protocol)サーバーとは、Webサーバー上でファイルを送受信する際に使用するサーバーの一種で、「ファイル通信プロトコル」とも呼ばれています。
Webサーバーはアクセスがあった際にファイルを送信する仕組みでしたが、FTPサーバーは、クライアント側(=サーバーからアクセスを受け取る側)からサーバー上にファイルをアップロードをしたり、サーバー上からファイルをダウンロードしたりできる仕組みになっています。
そのため、ホームページを制作する場合は、Webサイトを構成するHTMLファイルやCSSファイル、画像をFTPサーバーを利用してアップロードします。
最近ではWordPressが普及したことにより、FTPサーバーを多用する機会は減っていますが、Webサイトを構築する上では必須となるサーバーです。
DNSサーバー
DNS(Domain Name System)サーバーとは、インターネット上にあるIPアドレスとドメインを結びつけるサーバーのことです。
IPアドレスとは、スマートフォンやPCなどインターネットに接続している機器に割り当てられるインターネット上の識別番号を指します。
IPアドレスは人間にとって覚えづらい数字がいくつも羅列されてできており、その番号を人間が認識できるように、ドメイン(例:https//www.mihon.jp)という形にDNSサーバーが変換して利用できるようにしています。
DNSサーバーは、インターネット上において個人を識別する重要な役割を果たしている、欠かせない存在です。
Webサーバーの設置方法について
Webサーバーの設置方法は、自社でサーバーを用意する「自社サーバー」と、業者からサーバーをレンタルする「レンタルサーバー」の2つの方法があります。
ホームページの運用に慣れていない場合は、どちらを利用するか判断するのは難しいかもしれません。自社サーバーとレンタルサーバーの違いについて解説するので、参考にしていただければと思います。
自社サーバー
自社サーバーとは、文字通り自社でサーバー本体を購入し、運用や管理を全て行うサーバーのことです。
レンタルサーバーと比べると自由度が高く、自社で管理するため、通信業者への連絡が不要になるというメリットがあります。
その反面、自社でサーバーを管理するため、サーバーの構築やセキュリティ対策、メンテナンスをする必要があります。専門の知識が必要なので、初心者の方には管理が難しい点がデメリットです。
レンタルサーバー
レンタルサーバーとは、専門の業者からレンタルするサーバーのことです。
専門の業者がサーバーのメンテナンスやセキュリティ対策をしてくれるため、専門知識は不要です。そのため手軽に始めることができ、多くの企業や個人で利用されています。
しかし、レンタルサーバーはサーバーをシェアして利用している状況のため、アクセスが集中し、通信状況が低下するといったデメリットが生じる場合もあります。
ここからは、多くの人に利用されている代表的なレンタルサーバーの種類と、それぞれの特徴について説明していきます。
共有サーバー
1台のサーバーを複数人でシェアするサービスのことです。わかりやすく例えると、1つの部屋に複数人で住むルームシェアをイメージするとわかりやすいでしょう。共用サーバーは、一般的に利用されているサーバーです。
メリット
複数人で1台のサーバーを借りるため、ほかのサーバーよりも費用が安い点がメリットです。月額料金や初回料金が安く、月々の費用を抑えて導入できます。また、専門の業者が運用しているためサーバーに関する知識が不要です。
デメリット
1台のサーバーを複数人でシェアするため、サーバー内にあるホームページにアクセスが集中してしまうと、ほかのホームページが重たくなってしまう場合があります。
専用サーバー
1台のサーバーを独占して利用できるサービスのことです。建物に例えると、戸建を借りているイメージです。
メリット
共用サーバーとは反対に、1台のサーバーを1人で利用できるので、ほかのユーザーからの影響を受けません。そのためインターネットが重たくならずに、安定的に利用できます。
また、専用サーバーは容量が大きく、高スペックのものが多いため、大規模なサイトを運用するのに向いています。
デメリット
共用サーバーよりも性能が高く、費用が高い点はデメリットといえます。月額料金や初期費用に数十万かかるケースも多く、法人用途だと月額料金・初期費用込みで初回は30万以上かかる場合もあります。
また、基本的には自分でサーバーの設定や運用する必要があるため、専門的な知識が必要です。
VPS(仮想専用サーバー)
VSPサーバーとは、共用サーバーと専用サーバーを組み合わせたサービスです。わかりやすく例えると、1つの物件に複数の部屋がある「分譲マンション」のようなものです。
共用サーバーのように1つのサーバーをシェアする点は似ていますが、サーバーを仮想化(バーチャル化)してユーザーごとに専門の空間として割り当てることで、専用サーバーと同じように利用できる仕組みです。
メリット
共用サーバーと同じように、1つのサーバーを複数人でシェアしているため、料金が安いのが特徴です。また、専用サーバーのようにカスタマイズ性が高いので、知識があればアプリケーションの構築も可能です。
デメリット
カスタマイズ性が高いため、初心者にとっては敷居が高い可能性があります。また、専門サーバー同様に自分で運用や設定をする必要があるため、利用するためにはサーバーの知識が不可欠です。
クラウドサーバー
クラウドサーバーとは、共用サーバーと同様にインターネットを通してサーバーをレンタルするサーバーです。
レンタルサーバーは1台のサーバーを複数人で利用するのに対し、クラウドサーバーは1台のサーバーを仮想的に複数のサーバーとして構築し、ユーザーに利用してもらう仕組みになっています。
そのため、複数の仮想サーバーを利用できることから、アクセスが1箇所に集中することなく独立しています。小規模なサイトよりも大規模なサイトやアプリケーションの構築に向いています。
数あるクラウドサーバーで有名なサーバーは、Amazonが提供している「AWS」です。AWSは、以下のようなさまざまなサービスを提供しています。
- サーバー環境構築
- プログラム実行環境
- データベース運用
- データの保存やコンテンツ配信
サービスの数は100近くにも上るため、使い勝手がよく、ユーザーから多くの信頼を集めています。
共有サーバー「有料・無料」の違い
有料レンタルサーバーの特徴
有料レンタルサーバーは、月額費用が数千円かかります。しかし、無料レンタルサーバーのデメリットを補っており、サポート体制が充実しています。有料なだけあってサービスの品質や信頼性はとても高いです。
ホームページを安心して運営したい場合は、トラブル面にも強い有料レンタルサーバーの選択がおすすめです。
無料レンタルサーバーの特徴
メリット
無料レンタルサーバーの最大のメリットは、維持費がかからないので気軽にホームページを作成ができる点です。
ブログやホームページを試しに運用したい場合や、レンタルサーバーがどんなものかを試したい場合におすすめです。
デメリット
表示速度が遅い
無料レンタルサーバーは品質が低く、動作が不安定なものが多いです。1台のサーバーに多くのユーザーが利用する仕組みになっており、アクセスが集中してしまうと表示速度が低下することがあります。
広告が表示される
無料レンタルサーバーは、広告から収入を得る仕組みになっています。そのため、決められたエリアに広告が自動的に表示されるので、レイアウトやデザイン的な問題が発生してしまう可能性があります。
サポートに対応していない
無料レンタルサーバーは、基本的にユーザーサポートに対応していないことが多いです。そのため、ホームページに不具合があった場合やトラブルがあった場合に、自分で対応する必要があります。
独自ドメインが設定できない
独自ドメインを設定ができないことが多いため、インターネット上において独自の住所を決めることができません。
サーバー側が発行してくれる無料のドメインでも設定は可能ですが、サーバーが終了してしまうと、作ったホームページが突然なくなる可能性があります。そのため、ホームページを存続するためには独自ドメインで運用したほうがよいでしょう。
また、事業用として運用を考えている場合は、独自ドメインで設定した方がホームページの質を高めることができます。
WordPressが使用できない場合がある
無料レンタルサーバーでは、WordPressが使用できない場合が多いです。ホームページを作成するためには、世界で33%もシェアされているWordPressが必須ともいえるため、デメリットの一つでもあります。
突然サービスが終了する可能性がある
無料レンタルサーバーは、無料で提供されているサーバーのため、収益性がなく突然サーバーが終了してしまうことがあります。
また、サービスが終了してしまった場合、ホームページからデータが取り出せなくなる可能性もあります。取り出せたとしても再度公開する時にドメイン名が変わってしまうため、これまでホームページを閲覧してくれていたユーザーとの関わりがなくなってしまいます。
商用利用ができない場合がある
無料レンタルサーバーの中には、商用利用が禁止されているサーバーがあります。商用利用に含まれるのは、ショッピングサイトや個人のアフィリエイトサイトなどが対象となります。
おすすめの有料Webサーバー
レンタルサーバーは数多く存在するため、どれを選んでいいかわからなくなりますよね。
レンタルサーバーは、何を基準にするかを決めることで選びやすくなります。たとえば、次のような項目が基準となります。
- セキュリティ対策が充実しているか
- WordPressが簡単にインストールできるのか
- 価格は安いのか
今回はおすすめの有料のレンタルサーバーを3つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
エックスサーバー(共有サーバー)
エックスサーバーは、業界No.1のシェア率を誇る有料のレンタルサーバーで、株式会社エックスサーバーが運営しています。
ほかのレンタルサーバーと比べると費用が高めに設定されていますが、無料で常時SSL化対応(インターネット上の通信を暗号化することでサイトを安全に保つもの)やメールアドレスも作成できます。また、サーバー稼働率は99.99%と、安定性は抜群です。
エックスサーバーは、WordPressが簡単にインストールできる点もメリットの1つです。
「簡単インストール」という機能があり、指定された項目を設定するだけで終わります。数分で項目を設定するだけでWordPressをインストールできてしまうので、すぐに利用したい方におすすめです。
エックスサーバーは高機能でできることがたくさんありますが、その分、初心者にとっては難しく感じる部分もあるかもしれません。
さくらのレンタルサーバー(共有サーバー)
さくらのレンタルサーバは、エックスサーバーとは異なりシンプルな機能や作りが特徴の、初心者の方には特におすすめできるレンタルサーバーです。料金プランが豊富で、用途に合わせてプランを選択することで費用を抑えられるのもメリットの1つです。
さくらのレンタルサーバーも、エックスサーバー同様、WordPressをクイックインストールができますが、設定する項目はエックスサーバーよりも多いです。
WordPressを簡単にインストールしたい場合は、エックスサーバーの利用がおすすめです。
AWS(クラウドサーバー)
AWS(Amazon Web Service)は、たくさんのサービスが提供されており、その中でもECサイトを構築したい場合にはおすすめのサーバーです。
AWSは仮想サーバーをいくつも立てられるため、ECサイトなど大規模になりやすいサイトにとって、安定した環境作りが可能です。
AWSには「Amazon EC2」という仮想サーバーがあります。Amazon EC2は、ECサイトを構築する上で必要なサーバーがすぐに用意できます。また、ECサイトだけでなくWebアプリケーションなどもAWSを用いて作成できます。
おすすめの無料Webサーバー
無料のレンタルサーバーは、有料のレンタルサーバーと比べると機能が少ないものが多いです。今回は中でもおすすめの2つの無料レンタルサーバーをご紹介します。
XFREE
XFREEは、株式会社エックスサーバーが運営している無料のレンタルサーバーです。XFREEは完全無料かつ独自ドメインが使用可能なのが特徴です。
また、WordPressが5つまでインストールできたり、後述するXREAよりも容量が多いメリットがあります。
ただし、PCで閲覧するときは広告が表示されませんが、スマートフォンやタブレットの場合は、広告が表示されます。
XREA
XREAは、GMOが運営するレンタルサーバーで、3種類のプランが提供されています。プランの中に「XREA Free」という無料プランがあり、このプランでもWordPressの利用ができ、また商用利用も可能です。
XREAは、XFREEと比べると容量が1GBと半分以下ではありますが、SSL化に対応している点が大きなメリットだといえます。
まとめ
今回は、ホームページの運用に必要不可欠なサーバーの基礎知識から仕組み、種類などを解説しました。
サーバーには複数の種類が存在しますが、運用したいサービスに合わせて適切なサーバー選びをすることが大切です。
正しいサーバーを選択することで、自分が考えているホームページを運用することが可能です。ぜひ今回の記事を参考にサーバーを比較検討してみてください。