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そもそも提案書とは?
「提案」という言葉には「議案や意見」の意味があります。提案書には、業務の進め方や内容についての解決策が盛り込まれています。
取引先に提案書で製品やサービスの特徴を提示するだけでは、その製品がどう役立つのかは伝わらないでしょう。提案書には製品やサービスの利用により、どのような問題を解決できるのかを明確に示す必要があります。
提案書の作成でよくある3つの失敗例
提案書の作成でよくある失敗例には、以下の3つが挙げられます。
- 言いたいことだけを書いている
- 口頭での説明ありきで考えている
- 役割を間違えている
提案書をただ書くだけでは、意味をなさない・相手に理解してもらえない場合があります。意味のない提案書を作ってしまっては時間を無駄にするだけです。ここでは詳細を解説しますので、参考にしてみてください。
1.言いたいことだけを書いている
提案書には、改善案を盛り込む必要があります。そのため、言いたいことだけを書いていては意味がありません。言いたいことだけを書いている提案書には、現状の問題点だけを述べているものが挙げられます。
現状の問題点だけが述べられていても、そこにどんな問題があるのか相手に分かってもらえません。提案書には現状から考えられる問題と、それを解決できる改善点を盛り込む必要があります。また、提案によるメリットの提示も必要です。
2.口頭での説明ありきで考えている
提案書は、読むだけで理解できるものを作る必要があります。口頭で説明しながら提案すればいいと作った提案書では、読むだけでは理解できません。
取引先の担当者に口頭で説明し、理解してもらえたとしましょう。しかし、他に製品やサービスの利用者がいる場合、担当者以外にも理解してもらわなければなりません。
そのため、提案書は読むだけで理解できる・検討できるように作ることが大切です。
3.役割を間違えている
「提案書」と間違われやすい書類には「企画書」があります。「提案書」は課題を解決するための改善策や解決策が書かれるものです。一方、「企画書」は新しいプロジェクトや新製品の開発を行うためのアイデアやプランを文章にしたものを指します。
企画書はどちらかというと社内に向けて作られるケースが多いでしょう。どちらも相手に自分たちの意見を伝える資料だという点では同じです。しかし、役割が違うため何を伝えたいのかに注意して資料を作成する必要があります。
相手に伝わる提案書にする5つのポイント
相手に伝わる提案書にするポイントは、以下の5つが挙げられます。
- 必要な材料を揃えて作業を始める
- 全体の展開を考える
- 1枚のスライドに情報を詰め込みすぎない
- 「目的」と「相手」を明確にする
- デザインにもこだわる
提案書を作るなら、相手に伝わらなければ意味がありません。また、難しい内容や読んでいて苦になる提案書では読んでもらえない可能性があります。
ここではそれぞれの詳細を解説します。提案書の作成をする方はぜひ、参考にしてみてください。
ポイント1. 必要な材料を揃えて作業を始める
提案書を作る際、いきなりパワーポイントを開き、作り始めるのはタブーです。作り始める前に、必要な材料を揃えましょう。必要な材料には、グラフや画像、資料などが挙げられます。
何も用意しないで作り始めてしまうと、材料を探しながら作成しなければならず、余計に時間がかかってしまいます。あらかじめ必要な材料を用意しておけば、無駄な時間を省け効率的に提案書作成が可能です。
ポイント2. 全体の展開を考える
提案書作成をする場合は、全体の展開を考える必要があります。提案する相手にどのような順で説明すればいいか、大まかな展開を考えましょう。
パワーポイントを使いながら全体を見るのもいいですが、まだ慣れない方は手書きで展開を作っておくといつでも確認できるため作業しやすくなります。
展開がしっかりできていれば、構成を何度も作り直す必要がなくなります。伝える相手に対して、どの順序で説明すれば内容を理解してもらえるのかを考え、全体の展開を考えましょう。
ポイント3. 1枚のスライドに情報を詰め込みすぎない
1枚のスライドに情報がたくさん詰め込まれていると、理解しにくい提案書になってしまいます。文字やグラフなどは詰め込みすぎないよう気を付けて作成しましょう。具体的には、1枚のスライドで1つのメッセージを伝えるのがおすすめです。
1枚のスライドには読みやすい大きさの文章、グラフを配置していきます。提案書を作成する場合は余計なものを極力省き、重要なものだけを残すよう意識して作成します。
ポイント4.「目的」と「相手」を明確にする
提案書を作る場合は、その「目的」と提案する「相手」の明確化が必要です。例えば、目的が「サービスの説明」だけだと、サービスの内容だけを紹介する内容になってしまい、提案書としては不十分になるでしょう。
この場合は「サービス導入によるメリットを伝え、導入を検討してもらう」ことを目的にする必要があります。また、提案書を提出する相手が誰なのかも明確にしましょう。
「相手」は、提案書を見せる担当者だけを考えていては、口頭で済ませてしまう可能性があるため注意が必要です。担当者以外にも検討する必要のある「相手」がいることも考慮した提案書を作りましょう。
ポイント5. デザインにもこだわる
提案書を作る場合は、デザイン的にもこだわりのある資料を作成するといいでしょう。ただし色を使いすぎたり、適切でないフォントを選んだりすると見づらくなるため注意が必要です。色数は抑え、読みやすいフォント・文字サイズを選びましょう。
また、作っている最中には見やすいデザインが分からなくなってしまう場合があります。その都度、スライドショーで見たり、印刷してみたりして確認しながらデザインを確認するのがおすすめです。
パワポで提案書を作成する際の6つのコツ
パワポで提案書を作成する際のコツは、以下の6つが挙げられます。
- 1スライド・1メッセージを心がける
- 色やフォントを限定する
- 端を揃えて整列させる
- 数字を示す際はグラフの要素を絞る
- 余白にこだわる
- テンプレートを活用する
パワポはさまざまなデザインがあり、魅力的な提案書を作成できます。ここではそれぞれの詳細を解説していきます。
1.1スライド・1メッセージを心がける
1枚のスライドに情報が詰め込まれすぎていると理解するのが難しくなってしまいます。
基本的に、1枚のスライドには1つのメッセージを伝えるように作成するのが大切です。余白のあるすっきりしたスライドの方が、読み手に理解されやすくなります。
例えば、1枚のスライドに「現状の問題点」「問題の原因」「改善案」が全て詰め込まれていては読み手側を混乱させてしまうでしょう。分かりやすく説明するために、3つを別々のスライドで説明するようにします。
2.色やフォントを限定する
パワポで提案書を作成するなら、色やフォントを限定しましょう。提案書にたくさんの色やフォントが使われていると見づらくなってしまいます。
提案書で利用するカラーは3色までがいいでしょう。ベースカラー(背景の色)、提案書のテーマとなるメインカラー、強調に使うアクセントカラーの3色を選びます。
また、フォントも限定しましょう。パワポの資料では、可視性の高い「ゴシック体」がおすすめです。他におすすめなフォントにはWindowsなら「メイリオ」、Macなら「ヒラギノ」が挙げられます。また、文字のサイズは本文、タイトル、見出しに分けて大きさを決めましょう。
3.端を揃えて整列させる
見出しの位置がスライドによって異なっていたり、1枚のスライドの中で画像がずれていたりすると見づらい資料になってしまいます。そのため、見やすいパワポ資料を作るためには、端を揃えて整列させる必要があります。
端をそろえるのはもちろん、スライド内で並列にグラフや図を並べる際は高さや大きさも揃えるとより見やすい資料が作成可能です。見やすさを考えて、文章や図、表を配置しましょう。
4.数字を示す際はグラフの要素を絞る
提案書に数字が羅列されていると理解しにくく、見づらい資料になってしまいます。
数字を示したい場合は、グラフを利用して見やすくするのがおすすめです。しかし、数字をグラフにした場合、項目が多数あると問題点が見えにくくなってしまう場合があります。
例えば「使いやすい」「やや使いやすい」「どちらでもない」という項目があったとします。「使いやすい」と「やや使いやすい」の項目を一緒にすれば、シンプルになりより分かりやすくなる可能性もあります。提案書は提案を具体化するために作るものです。大枠が伝わるよう、グラフの要素を絞りましょう。
5.余白にこだわる
パワポで提案書を作る場合は、余白のあるスライドづくりを心がけましょう。スライドが文章や画像、グラフで埋め尽くされていると情報量が多く、見づらい資料になってしまいます。
また「圧迫感が感じられる」「視線が定まりにくい」といったデメリットもあります。パッと見て分かりやすい資料には、余白が必要です。提案書をパワポで作る際は「余白を入れる」を意識しながら作成しましょう。
6.テンプレートを活用する
資料を作る時間がない場合には、テンプレートを活用するのもおすすめです。インターネット上には有料のものを始め、無料で利用できるテンプレートもたくさん公開されています。検索する場合には「パワポ テンプレート」「提案書 テンプレート」などで検索してみましょう。
テンプレートを選ぶ際には、自社の製品やサービスに合うようなものを選ぶことが大切です。テンプレートを使えば、文章や画像、グラフを入れていけばいいため時間がなくても簡単に作成できます。
まとめ
提案書は提案する相手に、現状の問題点や解決策を伝える大切な資料です。
その資料が分かりにくければ、提案書が通ることは難しくなるでしょう。提案書は、相手に理解してもらえなければ意味がありません。自分が伝えたいことだけを考えて作らず、読み手のことを考えて作る必要があります。
また、余白を使ったりフォントをそろえたりすれば見やすい資料が作れます。今回ご紹介したポイントやコツを意識して、相手に伝わりやすい資料作りを心がけましょう。