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UDフォントってなに?

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UDフォントってなに?

「UDフォント」って聞いたことがありますか?

フォントは様々な人に見られることが当然多く、特に公共施設内に使われているフォントは見やすさが強く求められます。その「見やすさ」を追求して開発されたユニバーサルデザインのフォントがUDフォントです。

UDフォントは、通常のフォントと何が違うのか、どんなところで使われているか、など紹介していきたいと思います。

イッパイアッテナ

はじめまして、イッパイアッテナです。

ITと教養で、優秀なネコの手となり、あなたのあらゆる問題を解決します。あなたの相談役だったり、デザイナーだったり、広報だったり、わたしたちは”イッパイ”の顔をあなたに見せることができます。

UDフォントの特徴

UDフォントとは、誰もが読みやすく誤読しにくいフォントをコンセプトに開発されているフォントで公共施設や商品のラベルなどで多く採用されています。

フォントは可読性(=長文でも読みやすい)」「視認性(=ぱっと見で認識しやすい)」「判読性(=正確に読みやすい)」という主に3つの特性で評価されます。(デザイン性に振った場合この限りではありません)

そのうち「視認性」と「判読性」をあげることで、ぱっと見で判断されることの多い、公共機関の案内板などに適したフォントとなり、そのために開発されたフォントが「UDフォント」です。

UDフォントは通常のフォントと比較して、極力シンプルなデザインにしつつ、アキと呼ばれる余白を十分にとって視認性を向上させていることが特徴です。

主な採用場所

UDフォントは公共施設で多く利用されているという話をしましたが、実際どんな場所でUDフォントが採用されているか、いくつか紹介します。

役所・病院などの案内表示、手続き用紙

国や自治体が管理している施設はUDフォントを積極的に取り入れているところが多いです。

道路標識・道路案内表示

こちらも国や自治体が管理しているものなので、積極的に取り入れられています。高速道路の標識については少し変わった事情により置き換えが進んでいるようですので、興味のある方向けに後述します。

駅・空港の案内表示

国や自治体とは異なる団体が管理していますが、多くの人が利用する公的な場ですのでUDフォントが取り入れられています。

電気製品のリモコンなどの操作表示

お年寄りが使うことも想定された家電に多く見られます。UDフォントの開発に現在のPanasonicが共同開発に参加していたそうです。

カーナビなどの地図表示

カーナビは運転中に一瞬視線を移して情報を得ることが多いので、UDフォントが採用されているカーナビが増えています。

UDフォントが登場する前

UDフォントは2006年に家電メーカーのPanasonicとフォントメーカーのイワタの共同開発によって生まれました。そこから先ほど紹介した看板や案内表示が置き換えられているわけですので、まだ完全に普及しているとは言えない状態かもしれません。UDフォントが使われる以前(まだ置き換えられていない標識)は何が使われていたのでしょう。

駅などの案内表示

駅は鉄道会社によって看板が設置されていますが、会社によって多少違いはあるようですが、「新ゴ」が比較的多いようです。「新ゴ」は字面が大きく懐も広いフォントで読みやすいフォントの代表格でした。

英字に関しては「Helvetica」が多いようです。こちらも英字フォントでポピュラーなフォントでPanasonicなどの企業ロゴにも採用されています。

調べてもなかなか出てこなかったので私自身が実際に見た感想ですが、デパートや病院、役所など駅以外で人が多く集まる場所の案内表示は大体「新ゴ」「Helvetica」の組み合わせが多いように思います。

高速道路の案内表示

高速道路の看板の文字って独特だなと思ったことはありませんか?思ったことがある人はかなりフォント感の鋭い方だと思います。高速道路の標識の文字は「公団ゴシック」といって1963年に初めて高速道路が建設された時に作られたフォントが使われていました。「公団ゴシック」は高速で通過する車の中からでも正確に認識できるように作られていて、画数が多いものや複雑なものは省略するという、判読性に特化したフォントでした。

「もともと判読性が高いなら置き換える必要がないのでは?」と思うかもしれません。今のフォントのほとんどはデジタルフォントで、PCに文字を打ち込めば使える状態で販売されていますが、「公団ゴシック」はアナログフォントで、必要に応じて一つ一つ作られて使用されていました。そのためフォントとしての統一性に欠けていて、よくみると省略しすぎて誤字のような文字があるフォントでした。また、デジタルフォントが普及した現代において、わざわざ一文字ずつ作る必要があるフォントより市販のフォントを使った方が効率的で統一性もあることから、現在では「ヒラギノ」へ置き換えが進んでいます。(NEXCOから出ている資料には「ヒラギノ」とだけ表記されていてUDではないかもしれません。)

ただ、この独特なフォントにはファンがいて、なんと公団ゴシック風のフリーフォント「GD-高速道路ゴシックJA」というフォントが存在しています。興味のある方はダウンロードして使ってみてください。

GD-高速道路ゴシックJA。よくみてみると正しい文字ではない?

おわりに

UDフォントについて解説しました。子供からお年寄り、外国人や視覚的なハンデを持った方など多様な方々の目に触れるものをデザインする機会がありましたら、UDフォントを使ってみるといいかもしれません。

一言にUDフォントとはいえ、各フォントメーカーからゴシック体をはじめ、丸ゴシック、明朝体が出ていたり、既存のフォントをUD化したフォントが出ていたりとかなり種類が増えてきているので、ぜひ調べてみてください!

この記事を書いた人

なしょ
なしょ

野球とカメラとスノボとゲームと…好きなものが多くて困ってます。 が、新しい世界へのお誘いもお待ちしています!

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