見積書の重要性
見積書は、クライアントとの認識を揃えるために重要な役割を果たします。
フリーランスが取引を行う際、クライアントとの認識がずれていると、後にトラブルが発生する可能性があります。
見積書を作成することで「取引内容」や「金額」の認識を共通化し、トラブルのリスクを大幅に軽減できます。
見積書は取引が行われた証拠となり、報酬未払いの際に正当性を主張するための根拠にもなります。
ただし、見積書自体は取引内容の正確な記録ではないため、請求書や納品書も合わせて保管することが重要です。
また、見積書は一定期間保存することが求められ、青色申告や白色申告の場合には発行から5年間保存が必要です。
見積書を作成することは、クライアントの信頼を得るためにも有効です。
見積書を作成しないフリーランスもいるため、作成することで他のフリーランスと差別化を図ることができ、クライアントが依頼先を選ぶ際に信頼を感じてもらえます。
見積書の作成方法
見積書の作成方法には、下記のようなものがあります。
- 文章作成ソフトを使う
- WEB上のテンプレートをダウンロードする
- 見積書のテンプレートサービスを活用する
今回は、フリ×フリで用意したテンプレートを使った見積書の作り方について詳しく解説していきます。
見積書テンプレートの使い方と記載例
まずは自分の1人日あたりの単価を決め、構築するサイトの規模感や難易度によって工数を設定していくことで、見積もりを計算することができます。
上記は、1人日単価30,000円のフリーランスが10ページほどのWordPressサイトを新規で構築した場合の見積書となります。
各項目の内容詳細
項目名 | 作業内容 | 成果物 |
---|---|---|
要件定義 | サイト制作にあたってのヒアリング、サイト制作の目的/予算/仕様の確認など | 要件定義書 |
設計 | 画面設計、構成書(ワイヤーフレーム)の作成 | ワイヤーフレーム |
デザイン | キービジュアル/TOPページのデザインと、下層ページのデザイン | デザインデータ |
コーディング | TOPページ、下層ページのコーディング | html/css/JavaScript |
WordPress構築 | WordPressの基本機能の実装(ブログページ、お知らせページなど) | ソースコード一式 |
テスト/デバック | サイト制作後のテスト、ブラウザチェック、動作確認など | 試験結果報告書 |
ディレクション | 全体の進行、スケジュール管理など | WBS(スケジュール) |
人日とは?
人日(にんにち)とは、1人が1日働いた作業量を「1」とする単位のことです。「人工(にんく)」も同じ意味で使われます。業務を終わらせるために必要な工数を「人数×日数」で表したものと考えると良いでしょう。通常、1日は8時間労働としてカウントします。
https://www.teamspirit.com/mm/column/mm_keisan.html より引用
たとえば、見積書に「6人日」と書く場合、6人で1日(8時間)で対応するケースや、3人で2日かけて対応するケースなどが考えられます。
人日以外で計算する欄について
テスト/デバッグとディレクション費用のみ人日計算はせず、そのほかのサイト制作工程から算出していきます。テスト/デバッグはその他の見積金額全体の約10%、ディレクションは全体の約10%〜30%にて算出するのがベターです。
たとえば、製作工程に100万円かかったとすると、テスト/デバッグは15万円、ディレクションは25万円になります。
フリーランスの単価っていくらくらいがベスト?
一般的にフリーランスの単価は、スキルに応じて変動しますが、人日単価でいうと15,000円から50,000円程度が一般的な価格感となります。
あくまで上記は目安ですので、自分の売り上げ目標やスキル、仕事の難易度などによって調整していきましょう。
見積書を作成する際に注意するべきポイント
見積書を作成する際は、以下のことに気を付けましょう。
- 自分の業務範囲を明確に記載すること
- 納期は余裕を持って設定すること
- 見積書の提出期限を先に伝えておくこと
- 値下げを簡単にしないこと
業務範囲が不明確
→クライアントからの追加業務依頼が増え、無償で働くことになりかねません。
納期を短く設定する
→信頼を損なう可能性があるため、余裕を持って設定すべきです。
見積書の提出期限を伝える
→クライアントを待たせすぎないようにし、仕事の機会を逃さないようにできます。
値下げをする
→次回以降もその価格での取引が続くことが多いため、市場価値を守るためにも簡単に値下げをしない方が良いでしょう。
まとめ
見積書を提出することには以下のメリットがあります。
- クライアントとの認識を揃えられる
- 取引があったことを証明できる
- クライアントに発注を促せる
よい見積書を書くことによってクライアントからの信頼を得られたり、自分の利益を守ったりすることができます。
ぜひこの記事とテンプレートを参考に見積書を作成してみてください!
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