目次
- SEOとは
- SEO対策とは
- SEOの基本的な考え方と検索順位が決まる仕組み
- SEO対策はGoogleの考え方に合わせるのが本質
- SEO対策をする目的
- SEO対策のメリット
- SEO対策のデメリット
- SEOで上位表示させるための7つの対策
- SEO対策にはホワイトハットSEOとブラックハットSEOの2種類がある
- SEO対策で最もNGな行為
- SEO対策の成功にはトレンド追従が必須
- SEO対策の初心者でもできる15の効果的な施策の実例
- ターゲットのキーワードをタイトルに入れる
- キーワードの検索ニーズに沿った記事を作成する
- meta description タグにもしっかりとキーワードを入れる
- 読者が記事を見やすいように装飾する
- 重複コンテンツを削除またはnoindexにする
- URLの正規化でコンテンツ重複したインデックスページを解消する
- 作成した記事から読者が必要とする記事へリンクを貼る
- 画像を圧縮してページの表示速度を上げる
- 画像のaltタグでしっかりと画像の説明をする
- 作成した記事を紹介してもらえるようにする
- 記事の信頼性を上げる
- https化を行う
- リンク切れを起こしていないかリンクの確認をする
- OGP画像を用意してSNSでも拡散されるようにする
- 記事内リンクにnofollowをつける
- SEO対策初心者が陥る危険なポイント
- SEO対策のためにツールを導入して問題を可視化する
- まとめ
SEOとは
SEO(Search Engine Optimization)とは、日本語では「検索エンジン最適化」を意味し、検索エンジンを通してWebサイトへの流入を図るためのマーケティング施策の一つです。
SEOとSEMはどのような違いがある?
SEOと似た言葉に「SEM(Search Engine Marketing)があります。SEMは日本語で「検索エンジンマーケティング」といい、SEOを含めた検索エンジン上で行うマーケティング活動の総称です。
検索エンジン上で行うマーケティングとは、検索上位にWebサイトを表示させるSEOの他にも、検索結果の上部に表示する「リスティング広告」の設置などが該当します。
Webサイトへの流入を増やすには、SEOやリスティング広告をはじめとしたSEMを適切に運用することが重要です。
SEO対策とは
SEO対策とは、SEOによるサイト流入を増やすために検索エンジンのアルゴリズムを理解し、対象のWebサイトを上位表示させるための対策を指します。
検索エンジンはGoogleやYahoo!、Bingなどさまざまにありますが、シェア率で考えるとGoogleが圧倒的に高いです。Yahoo!の検索エンジンも2011年からGoogleの検索エンジンを利用しているため、Yahoo!とGoogleはほぼ同義と考えてよいとされています。
そのため、SEO対策における対策対象の検索エンジンは、Googleであると考えておきましょう。Webサイト上での集客は今や事業の要になっており、WebマーケティングにおいてSEO対策は重要な役割を担います。
SEOの基本的な考え方と検索順位が決まる仕組み
SEOの基本的な考え方と、検索順位が決まる仕組みについて解説します。
クロール:Googleがサイトを見つける
まず、Webサイトが実際にGoogleの検索結果に表示されるには、Google側からWebサイトの存在を認識してもらう必要があります。
その際、Googleは「クローラー」と呼ばれるWebサイトを巡回するロボットを使ってWebサイトを発見します。この、Googleがクローラーを使ってサイトを見つけることを「クロール」といいます。
インデックス:Googleがサイトを登録する
インデックスとは、作成したWebサイトがGoogleの検索エンジンデータベースに登録されることを指します。基本的に、クロールによってWebサイトが発見された後にインデックスされます。
ランキングと検索結果の表示:ランキングをつけて表示する
インデックス後は、検索エンジンがWebサイトに与える評価によって検索順位が決まり、表示されます。検索順位はSEO対策による影響でほとんど決まりますが、ユーザーの位置情報や検索傾向によって変動する(ローカル検索)場合もあります。
SEO対策はGoogleの考え方に合わせるのが本質
SEO対策としてWebサイトの検索順位を上げる施策はさまざまですが、基本的にはGoogleの考え方に準拠させるのが本質です。以下の点は、SEO対策を行う上で考慮しておく必要があります。
Googleが掲げる10の事実
Googleが会社を設立して数年後に提唱した、経営理念に通じる以下の10項目があります。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能します。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
これらの項目をSEO対策の本質として理解しておくことで、今後の検索アルゴリズムの変化や動向にも柔軟に対応できます。
E-A-T(専門性・権威性・信頼性)
E-A-Tとは「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の3つの頭文字をとった造語であり、Googleがコンテンツの品質を決める上で、最重要視している基準です。
Expertise(専門性)
専門性とは、Webサイトが何らかの専門性に特化しているかを評価します。
たとえば、ユーザーが家電を購入しようと思ってサイトを検索した際、ショッピングモールやECサイトのようなさまざまな商品を取り扱うサイトよりも、家電のみを専門的に取り扱っているサイトの方が目的の家電に到達しやすくなります。
つまり、家電に特化したサイトはユーザーのニーズを素早く的確に満たすため、専門性の高いサイトであると評価されます。
Authoritativeness(権威性)
権威性は、誰がその情報を発信しているのかを重視する項目です。特に、医療に関する情報は権威性が重視されるとしています。
病気の治療方法などの専門的な知識が求められる情報に関しては、個人のブログよりも医者として活動実績がある方や病院のサイトの方が信頼性があると判断され、上位表示されます。
Trustworthiness(信頼性)
信頼性とは、そのサイトがユーザーにとって信用できるかを評価します。
たとえば、商品レビューを取り扱うサイトが存在した場合、実際に商品を使った人がレビューしているかどうかで、信頼性は大きく変わります。
前述した権威性とも関係しますが、専門的な話をする場合は、誰が話しているのかが重要です。匿名ではなく実名で発信し、体験談などを詳細に書いているサイトは信頼性があると評価されます。
YMYL(Your Money or Your Life)
YMYL(Your Money or Your Life)は、Googleの検索品質評価ガイドラインに登場するお金や健康といったジャンルを示す言葉です。
お金や健康に関する情報は、ユーザーの人生そのものに大きな影響を与えかねないジャンルであるため、Googleは評価基準を厳格にして検索結果の品質を上げるように努めています。
このYMYLが提唱されるようになったのは、株式会社DeNAが運営していた「WELQ」というサイトにまつわる事件がきっかけでした。
WELQは、多数のライターが特定の条件に基づいてコンテンツを更新する、キュレーションサイトの一つでした。
しかし、ライターへ指定していた記事に盛り込むキーワードや構成が、ただ検索順位を上位にしたいという思いのみに基づいた取り止めのないものだったり、他のサイトやブログからそのまま盗んできたものあったりと、信憑性のないコンテンツで溢れかえっていたのが実情です。
それにもかかわらず、WELQのコンテンツはGoogleの検索アルゴリズムの性質をよく理解していたため、上位表示はされ続けていました。
これに対してGoogleにも批判の声が集まり、事態を重く見たGoogleはYMYLを提唱し、悪質なキュレーションサイトや不適切なサイトを上位表示しないアルゴリズムへと改善していきました。
SEO対策をする目的
SEO対策を行う目的は、サイトへの訪問者を増やすことです。
つまり、サイトを見てもらって自社の製品やサービスを購入してもらったり、お問合せや資料請求に進んだりといったアクションを起こしてもらうためのきっかけ作りに繋がります。
そのため、もしそういった目的でサイトを運用していない場合は、SEO対策を行う必要性はありません。
たとえば「趣味でブログを立ち上げて記事を書いている」や「特定の顧客にだけ見てほしいため、URLを直接教えている」といった運用を取っている場合は、SEO対策の必要はありません。
SEO対策のメリット
SEO対策によって上位表示されやすくなることは説明しましたが、他にも以下のようなメリットが挙げられます。
作成したコンテンツが資産になる
Webマーケティング施策の多くは広告運用によるものです。しかし、SEO対策はWebマーケティング施策の一つではあるものの、広告運用は行いません。
SEO対策では、何よりユーザーのニーズを満たすコンテンツを作ることが不可欠であり、それに向けて作り込んだコンテンツそのものが資産となります。
広告費用を使わず集客が見込める
前述の通り、SEO対策では広告運用は行いません。SEO対策が有効に働けば、広告費用を使わずとも集客が見込めます。
流入キーワードから顧客の新たなニーズがわかる
Googleアナリティクスや、Googleサーチコンソールといった分析ツールを使うことで、ユーザーがどんなキーワードでサイトへ流入したのかがわかります。場合によっては、そこで顧客の新たなニーズが判明するかもしれません。
たとえば「◯◯ 観光」という、◯◯という地名の観光情報記事で流入を狙うサイトを運営している場合、分析ツール上で「◯◯ 観光 おすすめコース」といったキーワードでサイトへアクセスしてきたケースを発見できたとします。
キーワードから、このユーザーは◯◯の観光スポットを知りたいだけでなく、観光する際のおすすめコースも知りたいというニーズが判明します。
新しく発見したニーズにあわせて「◯◯観光のおすすめコース紹介!」といったコンテンツを作成できるでしょう。
SEO対策のデメリット
SEO対策はメリットが大半ですが、以下のようなデメリットを感じる場合があるかもしれません。
結果として反映されるまで時間がかかる
SEO対策を行ったからといって、結果がすぐに検索順位に反映されるとは限りません。狙うキーワードにもよりますが、最低でも3ヶ月近くはかかると考えておきましょう。
本格的なSEO対策には膨大な知識が必要
本格的なSEO対策を行う場合、膨大な知識が必要です。Googleの検索アルゴリズムに対しての対策を立てるには、HTMLなどのコーディングの知識やページ表示速度や、ドメインエイジ(ドメインパワー)などを、考慮する必要があります。
SEO対策専門の会社が存在するだけあり、すべてを自分で対策するのは難しいことを理解しましょう。
ただし、SEOの知識のない方でも実施できることはあります。初心者でも可能なSEO対策の実例を後述しますので、ぜひ参考にしてください。
下手な対策をすると今よりアクセス数が減る
誤ったSEO対策を行うとサイトの評価が下がってしまい、以前よりも検索順位が落ちるケースもあります。SEO対策を見直すべきサイトであるかを判断し、新たに対策する場合は慎重に進める必要があります。
SEOで上位表示させるための7つの対策
SEOによって検索結果の上位表示を狙うには、どのような対策をとればよいのでしょうか。以下のようなさまざまな観点から対策を行ってみましょう。
内部対策
内部対策とは、Webサイト内部に施すSEO対策です。サイト全体のテキストや画像、HTMLタグといったサイト内部の要素を改善します。
コンテンツの改良
Webサイト全体や流入を狙うページをユーザーが求める情報にマッチしたコンテンツに改良することで、SEOとしての評価が上がり上位表示されやすくなります。
「タイトルや見出し、ディスクリプションなどに適切なキーワードは入っているか」「既に上位表示されている競合サイトに入っている項目で自身のサイトが取り扱っていない項目はないか」といった点を確認しなければなりません。
競合サイトの内容と照らし合わせながら、改良すべき箇所を精査しましょう。
内部リンク
内部リンクとは、自身のWebサイト内のページをそれぞれ繋ぐリンクを指します。
関連性のあるページにそれぞれ内部リンクを設置することで、クローラーがサイト内をクロールしやすくなり、いわゆるクローラビリティが向上してSEOの評価が上がるのです。
また、内部リンクがあるとユーザーがサイト内を行き来してくれる割合(回遊率)も上がり、PV数の向上に繋がります。
内部のディレクトリ構造
ディレクトリ構造とは、サイトの階層構造を指します。「トップページが第一階層」「記事カテゴリページが第二階層」「記事ページが第三階層」といったように、階層が正しく分けられているサイトはSEOの評価が上がりやすくなります。
一方、ディレクトリ構造が最適化されず複雑な階層にページが配置されている場合、クローラーが正しくページまでたどり着けないため、評価されづらい場合もあります。
適切なコーディング
適切にコーディングされたWebサイトかどうかは、SEOにおいて重要な評価基準の一つです。
「タイトルやディスクリプションのタグを適切に記述しているか」「h1タグやh2タグといった見出しタグは基本ルールに則って正しく記述されているか」などのクローラーにとってわかりやすいページ構造は、SEOの評価を上げるためにも大切です。
サイトやページの表示速度の向上
サイトやページの表示速度が遅いと、ユーザーにとっての利便性が損なわれて離脱率が増え、SEOにも悪影響を及ぼします。
特に、画像や動画コンテンツの読み込みは、コンテンツのサイズによって表示速度に大きく影響します。
「ページ内に掲載している画像や動画のファイルサイズを軽量化する」「ファーストビューに表示されない画像や動画は遅延読み込みさせる」など、表示速度の改善を測りましょう。
外部対策
外部対策とは、Webサイト以外で行うSEO対策です。自サイトのURLを外部サイトに宣伝し、外部からの流入を狙うために実施します。
質の高いコンテンツを作成・発信して、他サイトからのリンクを増やすことで、外部対策が成立します。
被リンク対策
被リンクとは、外部のWebサイトから、自身のWebサイトへ向けて設置されたリンクを指します。
被リンクは一般的にWebサイトやページが紹介されたり、ページの内容が引用されて引用元として明記されたりといった理由で設置されます。
Googleは自然な形で設置されている被リンクが多いサイトほど、価値のある良質なコンテンツという判断をしています。
SNSからの流入の確保
最近は検索エンジンだけでなく、TwitterやFacebookといったSNSからのアクセスも被リンクの評価基準と同様に検索順位に反映されています。
サイトを立ち上げた際は並行して、SNSの運用も始めてSNSからの流入を狙いましょう。
SEO対策にはホワイトハットSEOとブラックハットSEOの2種類がある
SEO対策の手法は「ホワイトハットSEO」と「ブラックハットSEO」の2つに大きく分けられます。それぞれの手法について解説します。
ホワイトハットSEO:ユーザーファーストでするSEO対策
ホワイトハットSEOとは、Googleが公開する「検索エンジン最適化スターターガイド」で推奨された方法でSEO対策を行う手法です。
検索エンジンのルールに則って、ユーザーのニーズを満たせるような有益なコンテンツを増やしてサイトを運営します。
参考:SEO スターター ガイド: 基本 | Google 検索セントラル | ドキュメント
ブラックハットSEO:Googleを欺くSEO対策
ブラックハットSEOとは、ホワイトハットSEOとは対照的にGoogleの検索エンジンのアルゴリズムを逆手に取り、悪質な技術で検索順位を上げようとする手法です。
たとえば、被リンクを外部業者から購入して、不正に大量設置してもらったり、ボットによる意図的なアクセス数の増加を得たりといった方法があります。
現在では、ブラックハットSEOに対してGoogle側も対策を講じているため、これらを実施しているとサイトにペナルティが課せられ、上位表示されなくなる傾向にあります。
SEO対策で最もNGな行為
SEO対策についてネットで検索すると、さまざまな方法が紹介されています。しかし、中には行うべきではないNGな手段もあります。SEO対策にしっかりと取り組む場合は、下記の手法は避けましょう。
ブラックハットSEOを行う
前述しましたが、ブラックハットSEOはGoogleからの評価を下げて、ペナルティを課せられかねない行為です。
過去に通用した手段であっても、現在は対策されていることがほとんどなので、サイトの評価を下げる行為にしかなりません。ユーザーファーストのサイト運営を考えたホワイトハットSEOを行いましょう。
SEO対策にばかり目が行きユーザーを優先しない
SEO対策にばかり目が行き、ユーザーが求める情報が盛り込まれていないコンテンツは好ましくありません。
たとえば、キーワードを無駄に多く使用したり、ページ速度を向上させるために画像を意図的に挿入しなかったりといった行為は、ユーザーのニーズを十分に満たせないサイトと判断されて検索順位に影響します。
一度SEO対策をしたからと放置する
SEO対策は、一度で終わりではありません。長期に渡りサイトを運営する場合、後述するトレンドの追従が重要です。
トレンドを追えなくなると、徐々に検索順位やアクセスは下落します。状況に応じてサイトやページを都度更新していく必要があります。
SEO対策の成功にはトレンド追従が必須
Webの閲覧方法やユーザーの行動などのさまざまな変化にともなって、Googleはアップデートを続けています。SEO対策を成功させるには、Googleの最新のトレンドを見極めて、追従することが大切です。
Googleアルゴリズムのアップデート
Google検索エンジンは2000年にリリースされてから、毎年のようにアップデートされてきました。2011年以降では、以下のようなコアアップデートが特に大きなアップデートとなっています。
- 2014年12月:ベニスアップデート
- 2015年7月:パンダアップデート4.2
- 2016年9月:ペンギンアップデート4.0
- 2017年12月:医療健康アップデート
- 2018年7月:スピードアップデート
- 2019年10月:BERTアップデート
- 2021年6月:Core Web Bitals
Googleアルゴリズムのアップデート実例
それぞれのコアアップデート内容を簡単にご紹介します。
ベニスアップデート
ユーザーの利便性向上のために、ユーザーの位置情報を基に最適な検索結果が表示されるようになりました。
パンダアップデート
他のサイトとの差別化がない、自動作成された無意味なコンテンツが入っているサイトの検索順位が下がるなど、サイトの品質が影響するようになりました。
ペンギンアップデート
ブラックハットSEOで行われるような、低品質な被リンクを集めているサイトは検索順位が下がるようになりました。パンダアップデートと合わせて、ブラックハットSEOを実施しているサイトが淘汰されるようになりました。
医療健康アップデート
医療・健康に関する検索結果の改善のために行われたアップデートで、信頼性があり有益な情報を発信しているサイトについて、検索順位が上昇するようになりました。前述したE-A-Tに通ずるアップデートです。
スピードアップデート
スピードアップデートはその名の通り、ページの表示速度を検索順位に影響させるためのアップデートです。ページの表示速度が極端に遅い場合は、検索順位に悪影響が出るようになりました。
BERTアップデート
BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、自然言語処理の一種です。人間が入力したキーワードの検索意図を、アルゴリズムがある程度汲み取れるようになりました。
Core Web Bitals
コアウェブバイタルとは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善を目的に導入されたサイトの評価指標です。以下の3つの重要指標をもとにサイトを評価して、検索順位を変動させます。
- サイト内の画像や動画といったコンテンツが表示されるまでの待機時間を評価する「LCP(Largest Contentful Paint)」
- ユーザーが最初に行う操作の反応速度を評価する「FID(First Input Delay)」
- ページコンテンツの視覚的な安定性を評価する「CLS(Cumulative Layout Shift)」
検索結果の多様化
昨今のGoogleは、あるキーワード(クエリ)の検索結果に対し、同じような内容を取り扱うサイトを複数表示するのではなく、ユーザーの検索意図に対応するために、さまざまな内容のWebサイトを表示させています。
たとえば「コーヒー」というクエリでユーザーが検索したとしましょう。
コーヒーという単語で検索する場合「コーヒー豆を買いたい」「美味しいコーヒーが飲める喫茶店を探したい」「コーヒーカップを買いたい」「コーヒーの歴史を調べたい」といった複数の検索意図が考えられます。
Googleはこのような状況に対して、その単語が持つさまざまな意味をバランスよく表示させるアルゴリズム「QDD(Query Deserves Diversity)」を採用しています。
検索意図の変化
検索意図(インテント)とは、ユーザーが検索キーワードを入力する際の潜在的な意図を指します。検索意図とはユーザーが興味を持っている情報のことであり、時間とともに変化します。
そのため、ユーザの検索意図に応えるサイトやページを作ることが、ユーザのニーズを満たせる上質なコンテンツに繋がるのです。
常にネット上の情報にアンテナを張り、移りゆく検索意図の変化に柔軟に対応できるようにしましょう。
SEO対策の初心者でもできる15の効果的な施策の実例
SEO対策として、初心者でもできる施策をご紹介します。自身のサイトを見直して、これらが実施できているかどうかを確認してみましょう。
ターゲットのキーワードをタイトルに入れる
ターゲットのキーワードが、ページのタイトルに入っているか確認しましょう。
たとえば、美味しいコーヒーの紹介を行うページであるにも関わらず、「コーヒー」というワードがタイトルにないと、ユーザーは何が書かれているページなのか判断できません。
とはいえ「コーヒー 美味しい 3選」のような、ただキーワードを並べているだけのタイトルもユーザーにとっては伝わりづらく、SEO的にも良いとはいえません。
「コーヒー大好きな私が選ぶ美味しいコーヒー3選!」のように、ターゲットのキーワードを取り入れつつ、違和感のないタイトルを作成しましょう。
キーワードの検索ニーズに沿った記事を作成する
キーワードの検索ニーズに沿った記事を作成しましょう。
「そのキーワードではどのような検索ニーズがあるのか」といった点を考慮しながら、上位表示される記事やサジェストキーワードを参考に記事を作成することが、良質なコンテンツに繋がります。
meta description タグにもしっかりとキーワードを入れる
ディスクリプションとは、検索結果のページタイトル下に表示される100文字程度(スマホであれば50文字程度)の要約文です。このディスクリプションにターゲットのキーワードを入れることも、SEO対策としての効果があります。
ただし、無意味にキーワードを並べるだけではなく、キーワードを盛り込んだ上で違和感のない文章を作成する必要があります。
読者が記事を見やすいように装飾する
「画像を時折配置する」や「CSSで見出しや強調部分の文字デザインを変える」など、読者が記事を見やすいようにコンテンツ内を装飾しましょう。
見やすい記事を作ることで、ユーザーの離脱率が低減するとともに、サイト内の回遊率は向上します。結果的に良質なコンテンツと評価されることに繋がります。
重複コンテンツを削除またはnoindexにする
重複コンテンツとは、タイトルやテキストが他のコンテンツと同じものを指します。重複コンテンツは「コピーコンテンツ」とも呼ばれ、SEO的にはマイナス評価です。
重複コンテンツができてしまった場合は「どちらか一方を削除する」「特定の検索エンジンをインデックスさせない『noindex』タグを設定する」といった対策を講じる必要があります。
URLの正規化でコンテンツ重複したインデックスページを解消する
URL正規化とは、サイト内に重複コンテンツが複数ある場合に、Googleからの評価を受けるURLを1つに統合する手法です。
検索エンジンに評価してもらいたいページのURLに、重複コンテンツのページをリダイレクトさせたり、canonicalタグを設置したりすることで、クローラーに対して最も重要なURLを伝えられます。
URLを正規化することで、それぞれのURLのリンク評価を分散させないようにもできるので、積極的に利用しましょう。
作成した記事から読者が必要とする記事へリンクを貼る
サイト内の回遊率を上げるために、記事に内部リンクを貼ることも重要です。ユーザーが読んでいる記事の内容を補完させたり、関連する内容を紹介したりするのに効果的です。
他のサイトへのリンクを貼るのもよいですが、なるべくは自身のサイト内でリンク対象の記事を作成してリンクさせたほうがよいでしょう。
画像を圧縮してページの表示速度を上げる
ページの表示速度でネックとなるのが画像のファイルサイズです。
サーバーへアップロードする前に圧縮してファイルサイズを小さくしておきましょう。ただし、圧縮によって画像が不明瞭になると、ユーザビリティを損なうので注意が必要です。
画像のaltタグでしっかりと画像の説明をする
altタグは「代替テキスト」とも呼び、何らかの原因で画像が表示されない場合に、代わりにテキストを表示してくれます。
また、altタグを設定すると、Googleのクローラーが画像の内容を理解して画像検索にも反映してくれるため、画像検索からの流入も見込めます。画像を貼り付ける場合は、altタグを必ず設定しましょう。
作成した記事を紹介してもらえるようにする
サイトを訪れた人が記事を見て「この記事を多くの人に共有したい!」と思ってもらえるような良質なコンテンツが作成できていれば、被リンクやアクセスが増加してSEOの評価も上がります。
ユーザーの検索意図やニーズを考慮したコンテンツの作成を日頃から心がけましょう。
記事の信頼性を上げる
E-A-Tにもとづいて記事を作成することで、記事の信頼性は上がります。
「自身の専門分野の記事を書く」や「自身の専門分野である根拠を合わせて説明する」といった方法で信頼性を上げることで、SEOの評価も上がります。
https化を行う
Webサイトには暗号化された安全な通信方式であるhttps化(常時SSL化)を採用しましょう。従来のhttpは暗号化されていない通信では、フォームに入力した個人情報などが抜き取られる危険性がありました。
現在でもhttpを利用していると、危険性のあるサイトだと認識され、検索上位に表示されにくくなります。SEOとセキュリティの両面から見ても、https化は必要です。
リンク切れを起こしていないかリンクの確認をする
サイト内のURLがリンク切れを起こしていないか、定期的に確認しましょう。リンク切れに対するSEO的な評価はそこまで大きくないという意見もありますが、ユーザビリティの面から考えると不便でしかありません。
ユーザーが利用しやすいサイトにするためにも、リンク切れを見つけたら差し替えや削除などの対策を行いましょう。リンク切れを定期的に確認するのが大変な場合は、リンク切れをチェックできるツールの使用も検討してみてください。
OGP画像を用意してSNSでも拡散されるようにする
OGP(Open Graph Protocol)とは、Webサイトのコンテンツ内容をSNS上で伝える際に利用する仕組みです。
SNSで記事がシェアされた際に、記事のタイトルやサムネイル画像がカード型で表示されているのがOGPです。SNSでシェアされた記事が見られるかどうかは、このOGPを適切に設定しているかがカギとなります。
特に、画像はサイトのイメージを瞬時に理解させるためにも重要な要素であるため、必ず用意しましょう。
OGPのための画像作成
OGPを設定する上で重要なのは、OGP画像の作成です。
OGP画像のサイズにあった画像を作成していなければ、引き伸ばされたり見切れてしまったり、見映えが悪くなったりします。代表的なSNSにおけるOGPサイズは以下の通りです。
Twitter、Facebook
横幅1200px、高さ630px
LINE
横幅630px、高さ630px
記事内リンクにnofollowをつける
nofollowとは、サイト内のコメント欄などに、サイトの管理者の意図とは無関係で信頼できないサイトへのリンクが混じってしまうリスクを防止するために作られた項目です。
リンク先のサイトを自身のサイトと関連づけたくない場合や、リンク先を検索エンジンにクロールさせたくない場合に設定する必要があります。
基本的には、他のサイトへのリンクにはnofollowを設定し、内部リンクの場合はつけないという方針を取りましょう。
SEO対策初心者が陥る危険なポイント
SEO対策初心者が陥りがちなポイントをいくつかご紹介します。
SEO対策のメリットばかりに目が行く
SEO対策には多くのメリットがありますが、対策の効果が表れるまでに時間がかかる点はデメリットといえます。
そのため、時間とお金に見合った結果がなかなか出せない場合もあります。デメリットについても理解した上でSEO対策を行いましょう。
流入が安定している記事のタイトルや記事を大きく変更する
既に安定した流入がある記事のタイトルや本文を大きく変更してしまうと、安定していた順位から下落してしまう可能性があります。流入がある記事はむやみに編集せず、他の記事のSEO対策に注力しましょう。
SEO対策のためにツールを導入して問題を可視化する
サイトのアクセス状況や流入キーワードの分析は、ツールを導入して可視化することでより把握しやすくなります。SEO対策を行う上で、これらのツールは最低限利用できるようにしましょう。
Googleアナリティクスの導入でサイト内でのユーザー行動を可視化する
Googleアナリティクスは、Webサイトのアクセス状況を分析できるツールです。ページ毎の閲覧数やユーザーの訪問時間帯、リアルタイムの訪問ユーザー数、閲覧に利用された端末の種類、検索キーワードなどの情報を分析できます。
これらの情報を分析することで、流入キーワードの調査や伸びているページとそうでないページの判別、ユーザー一人あたりのサイト内回遊率などを把握できます。
また、Googleアナリティクスは、登録すれば誰でも無料で利用可能です。サイトを立ち上げた後は即座に登録して分析できる環境を作りましょう。
Googleサーチコンソールの導入で流入前の情報を可視化する
Googleサーチコンソールは、Webサイトのパフォーマンスを分析できるツールです。
Google検索のみに特化したツールで、Google検索結果におけるクエリ毎の検索順位や表示回数、クリック回数など、検索まわりのパフォーマンスを確認できます。
また、被リンクの総数やリンク元サイトなども把握できるため、SEO対策において重要な被リンクやキーワード選定はこのツールを駆使することで多様な分析が可能です。Googleアナリティクスと合わせて、必ず導入することをおすすめします。
サイトの表示スピードを確認できるPageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、SEO対策で重要となるページ表示スピードを確認できるサイトです。100点満点のスコアでページの表示スピードを評価してくれます。
評価後は遅い原因となっている項目を表示してくれるため、その内容をもとに修正することでページの表示スピードを改善できます。サイトやページを更新した際は、このツールを都度利用してページ表示スピードを確認しましょう。
特定のキーワードで記事の順位を確認できるツール
「Rank Tracker」や「GRC」といった、特定のキーワードで検索した際の、自身のサイトの記事表示順位を確認できるツールも導入しておくと便利です。
自身が想定したクエリでどれぐらいの順位を確保できているかが一目でわかります。また、前日との順位比較も容易なため、キーワードの選定に注力したい方におすすめのツールです。
まとめ
SEO対策にはさまざまな手法がありますが、どの手法もこれが正解という確実な答えはありません。
有効な対策といわれているものをただ闇雲に取り入れるよりも、訪問してくれるユーザーのことを考えたユーザーファーストな姿勢こそが、結果的にSEOの評価へと繋がります。
この記事で紹介した施策を可能な範囲で取り入れつつ、ユーザーの目線に立ったコンテンツ作りを意識しましょう。