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Web制作の依頼で丸投げは危険
自社のWebサイトやブログなどを外注する際に制作会社へ丸投げするのは危険です。
Webサイトには検討すべき項目が複数あり、制作会社と協力しながら進めなければ完成後に問題が発生する可能性が高まります。以下のような点は、制作会社と話し合いながら制作を進めていくように意識してみてください。
- Webサイトの目的や目標
- 必要な機能
- デザイン
- 文章や画像
- コンテンツ内容
また、Webサイトは作って終わりではなく、公開後も定期的な修正や方向性の見直しによって理想に近づいていくことを覚えておきましょう。
Web制作を依頼する前にチェックすべき10の項目
Web制作を依頼する前にチェックすべき項目には、以下の10点が挙げられます。
- 制作の目的
- 成果目標
- ターゲットやペルソナ
- 自社やサービス・商品の強み
- 競合他社の存在や特徴
- 参考にしたいデザイン
- 予算
- 納期
- 運用方針と担当者
- 制作会社との相性
それぞれの項目について詳しく解説します。
1.制作の目的
Webサイトを制作する目的にはさまざまなものがあるでしょう。例を挙げると以下のようなものが考えられます。
- 会社案内
- 問い合わせ・資料請求の流入経路として
- 商品・サービスの利用促進
- 求人募集
- 集客
Web制作の目的が定まっていなければ「誰に向けた情報なのか」が曖昧になってしまいます。さらに、構成やデザイン、コンテンツの方向性などにもズレが生じ、必要以上の時間やコストをかけてしまう恐れも考えられるでしょう。
これらを回避するには、制作会社へ依頼する前に社内で綿密な打ち合わせをして目的を明確にしておくことが欠かせません。
2.成果目標
目的を定めたら、具体的な成果目標の設定も忘れずに行いましょう。この際、覚えておきたいのは「KGI」と「KPI」2つの指標です。それぞれの意味は以下の通りです。
- KGI:施策を講じて得たい最終目標。「売上◯%アップ」や「月間問い合わせ件数◯件」など
- KPI:KGIを達成するための中間指標「新規閲覧数」や「平均購買額」など
これらの指標に対して具体的な数値目標を定め、実際の達成度合いとの乖離から改善を繰り返して運用します。
3.ターゲットやペルソナ
Webサイトを制作するうえで、ターゲットやペルソナを絞り込むことも大切なポイントです。それぞれの意味や役割は以下の通りです。
- ターゲット:年齢や性別、居住地など属性で対象を選定する
- ペルソナ:ターゲットから具体的な人物像を設定する(職業や趣味、家族構成から抱えている悩みなど)
「誰に自社の情報を届けたいのか」や「どういった悩みごとを解決したいのか」などの方向性が定まると、発信すべき情報や必要な機能を決めやすくなります。
また、ペルソナを制作会社と共有すると認識の不一致を避けたり、無駄な作業を抑制したりする効果も得られるでしょう。
4.自社やサービス・商品の強み
Webサイトを制作する前に改めて自社のサービス・商品の強みを明確にしましょう。これらを制作会社へ伝えることによって「何を前面に押し出すサイト」にしたいのかを決めやすくなります。
さらに、ターゲットやペルソナと合わせて考えることによって、デザインやフォント、使用する画像の方向性を設計しやすくなり、スムーズなサイト構築につながるでしょう。
5.競合他社の存在や特徴
どのような業種・業態にも競合他社が存在します。競合他社との差別化を図るには、他者のWebサイト分析が欠かせません。
競合他社の分析方法は、自社が狙いたいキーワードで上位検索にヒットするサイトを順に見ていきます。見るべきポイントは以下の通りです。
- 見せ方
- 売り出し方
- 企業理念
- ターゲット・ペルソナ層
これらをできるだけ多く集めて、いい点はもちろん悪い点を分析し、競合サイトよりも優れたサイトを作り上げるようにしましょう。
6.参考にしたいデザイン
競合サイトを見ながら、参考にしたいデザインについてもピックアップしてみてください。参考元があると、口頭での説明よりも制作会社とレイアウトやデザインのイメージを共有しやすくなります。
事前準備を整えておくと制作会社としても工数の削減を見込めるため、見積もりを安く提示してくれるケースも少なくありません。
ほかにも、自社の商品やサービス、パンフレット、ロゴデータなどもすぐに提供できるようにしておくと安心です。
7.予算
Webサイト作成に割ける予算を事前に伝えておくことも重要です。制作会社側としては予算に収まる範囲でプランを提案しやすくなり、無理な場合は違ったプランを検討してくれるでしょう。
また、事前に予算はどれくらいまでならオーバーできるのかや、複数のプランを提示して欲しいなどの要望を伝えておくとスムーズです。
ほかにも、追加費用が発生するポイントなども確認しておきましょう。追加費用が発生する例としては途中から仕様変更をお願いしたり、有料素材を利用したりするなどが挙げられます。
8.納期
納期の希望については、具体的なスケジュールを伝えるようにしましょう。
「なるべく早く」や「来年の夏頃」など明確になっていない場合は、制作会社としても優先度を決められず、先送りにされてしまいやすくなります。
制作会社もあらゆる企業の案件を抱えているため、依頼側として明確な納期を伝えるようにしましょう。納期が明確になっていればスケジュールを立てやすく、品質の向上にもつながります。
9.運用方針と担当者
Webサイトが完成する前に運用方針と担当者を決めておくことも大切です。運用方針の例としては、頻繁にコンテンツを更新する、SEOでの検索流入を狙う、リスティング広告を併用するなどが挙げられます。
運用方針によって必要な機能や適したレイアウトが異なり、金額や提案内容が変わることも考えられるでしょう。
担当者に関しては「誰が・どこまで・何をするのか」を明確にしておかなければなりません。普段の業務にサイトの運営が加わるため、無理がないように設定を考えておく必要があります。
10.制作会社との相性
Webサイトの制作から運用までは長いスパンを考えておかなければなりません。
そのため、制作会社との相性は非常に重要なポイントです。コミュニケーションコストを抑えるには以下の点を確認しておくと安心です。
- 対応はていねいか
- 専門用語をわかりやすく伝えてくれるか
- 希望に耳を傾けてくれるか
- 自社に適した提案をしてくれるのか
併せて、業務連絡の手段や担当者不在の場合の窓口があるのかについても事前に質問しておきましょう。
Web制作の依頼で注意すべき4つのポイント
Web制作の依頼で注意すべきポイントには、以下の4つが挙げられます。
- 制作会社によって得意な内容が異なる
- 作成後にもコストが発生する
- 自由度が低いと制約が増える
- 集客の施策は別途必要になる
最初に必要なだけでなく、ランニングコストや公開後のメンテナンスのしやすさにも影響する項目です。ここではそれぞれに分けて解説します。
ポイント1.制作会社によって得意な内容が異なる
Webサイトの制作といっても、領域は多岐にわたります。そのため、目的とするサイト構築に強みを持つ制作会社を選ぶことが重要です。
制作会社によって得意な内容が異なります。たとえば、堅めのサイト作りに強みがある・女性向けメディアの制作例が豊富など、過去の実績をチェックして依頼先を選定しましょう。
目先のコストだけでなく「理想とするサイトを作れるのか?」という点まで考えて検討してみてください。
ポイント2.作成後にもコストが発生する
Webサイトを作成後にもコストが発生する点も忘れてはいけません。かかる費用には以下のようなものが挙げられます。
- サーバー代
- サイト更新費用
- ドメイン取得・更新費用
また、コンテンツを外注する場合には制作代金も別途必要です。Webサイトは制作しただけではなく、アクセス数を見込めるようになるためには定期的な更新やSEO対策が欠かせません。
ポイント3.自由度が低いと制約が増える
Webサイトを作るうえでよく使われるのはWordPressですが、制作会社によってはコンテンツの作成から管理までを簡素化できるCMSを採用している場合があります。
CMSは、誰でも簡単にサイトの管理を行えるメリットがありますが、なかには自由度が低いものもあり、公開後のカスタマイズに制約がある場合も考えられるため、注意が必要です。
ポイント4.集客の施策は別途必要になる
Webサイトを公開しただけでは集客効果を見込めません。集客の施策は別途必要になることも覚えておきましょう。集客の手法については以下のようなものが挙げられます。
- SEO:検索流入/コンテンツ制作に知見が欠かせない
- SNS:TwitterやInstagramなどから流入/運用方法や発信頻度を選定しなければならない
- リスティング広告:検索結果に応じたテキスト広告からの流入/即効性はあるが、クリックごとに費用が発生する
まとめ
自社のWebサイトを制作会社へ依頼するときにチェックしておきたいポイントと、注意点を解説しました。Webサイトの制作は丸投げするのではなく、自社も協力的に情報共有や希望をはっきりと伝えることが重要です。
また、依頼前に社内でサイトを制作する目的や数値的な目標、ペルソナ像まで具体化しておくと費用や時間を短縮できる可能性が高まります。解説したポイントをチェックして、最適な制作会社を見つけましょう。