企画書とは?
企画書とは、新しく企画したイベントやプロジェクトの内容をまとめた資料で、主に社内での発表に使用されます。企画書を作成する際は、企画の魅力や目的がしっかりと伝わるようにすることが重要です。
しかし、文字だけで埋め尽くされた企画書や、黒一色で抑揚のないデザインでは、魅力が伝わりにくいことがあります。図やグラフ、色の使い方を工夫し、視覚的にもわかりやすく、印象に残るようなレイアウトにすることが大切です。デザインにこだわり、見やすさと説得力を兼ね備えた企画書を目指しましょう。
企画書の基本構成は5つ
企画書の基本的な構成として以下の5つがあげられます。
- タイトル
- 現状分析
- 企画の目的や理由
- 概要
- スケジュール案
ここからは、それぞれの構成について詳しく解説していきます。基本構成に沿って作成することで、重要ポイントがまとまりやすくなります。企画書がまとまらない場合は、構成から考えてみましょう。
1. タイトル
企画書の一番初めにはタイトルを入れます。見ただけで企画の内容が伝わるような、わかりやすいタイトルを付けましょう。しかし、タイトルが簡単すぎたり、逆に長すぎたりすると魅力が薄れてしまうため、バランスが大切です。以下のポイントを確認しながらタイトルを考えると良いでしょう。
- 企画書の概要がひと目で分かるか
- 企画の最大の魅力を伝えられているか
- 続きが気になるような工夫がされているか
人間の第一印象は約3秒で決まると言われています。したがって、一目見て興味を引くタイトルを付けることが重要です。企画にキャッチコピーをつけるような感覚で、相手の心をつかむ工夫をしましょう。
2. 現状分析
新規企画を提案するにあたり、まず現状分析を行い、達成すべき目標や解決すべき課題を記載することが重要です。現状を詳しく分析することで、社内の課題が明確になり、企画の必要性をアピールしやすくなるでしょう。
現状分析では、課題の把握に加えて、その原因を具体的に記載することがポイントです。原因がしっかり分析されていれば、課題に対する解決策として新規企画を提案しても承認されやすくなります。したがって、新規企画の必要性を示す根拠としても現状分析は欠かせないプロセスです。
3. 企画の目的や理由
現状分析で明らかになった課題やその原因をもとに、新規企画の目的や理由を明確に記載しましょう。分析結果から課題の重要性を強調することで、その課題を解決する必要があるとアピールできます。
さらに、目的を具体的に設定することができれば、その達成にはこの企画が不可欠であると説得力を持って主張できるため、目的や理由は具体的にわかりやすく設定しましょう。
4. 概要
概要では、企画について以下の内容を記載しましょう。
- 具体的な内容
- 新商品の詳細
- 企画や商品のターゲット
- 訴求場所
- コンセプト
概要では企画の魅力を十分に伝えるため、専門用語は避けたわかりやすい文章を意識しましょう。
また、抽象的な表現を使うと企画のイメージが伝わりにくくなったり、間違った解釈をされてしまう恐れがあります。概要部分で企画に対する印象が決まるため、企画の魅力を最大限伝えられるように記載しましょう。
5. スケジュール案
企画を進行する際は、どのようなペースで進めるかを具体的に示したスケジュール案を作成しましょう。たとえば、イベント企画の場合、会場の確保や参加者の募集など、複数の段階を経て進行していきます。実際に企画がどのように進むかをイメージしやすいよう、表やタイムラインを活用して視覚的にわかりやすく記載することが大切です。
また、スケジュールは時間に余裕を持たせて、計画的に進められる内容にしましょう。現実的な進行スケジュールでなければ、現実的ではないと判断されるリスクがあります。他のタスクとのバランスも考慮し、無理なく進行できるスケジュールを立てるようにしましょう。
企画書のデザインで押さえるべき6つのポイント
企画書をデザインするときに押さえるべきポイントとして、以下の6つがあげられます。
- 使う色の数を3色に絞る
- 最初に構成や展開を考える
- レイアウトに統一感をもたせる
- 文字のサイズや書体を統一する
- シンプルさを意識する
- 伝えたい情報に応じてグラフを活用する
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。ポイントを押さえればデザイン性があり、わかりやすい企画書を作成しやすくなるため、試してみるのがおすすめです。
ポイント1. 使う色の数を3色に絞る
企画書では、使う色を3色程度に抑えることをおすすめします。黒一色にしたり、逆に多くの色を使いすぎたりすると、重要なポイントや伝えたいポイントが埋もれてしまい、きちんと伝わらない恐れがあります。
そのため色は3色程度と少なめに抑え、それぞれの色の役割を決めて使用するのが効果的です。たとえば、最も伝えたい重要事項には赤、補足的なメモには緑、それ以外は黒で統一するなど、色の意味を明確にしておくと良いでしょう。これにより、読み手が色を通じて内容を瞬時に理解し、重要な点に自然と注目してもらえるようになります。
ポイント2. 最初に構成や展開を考える
企画書を書き始める前に、骨組みである構成や展開から考えることをおすすめします。構成なしで書いていくと、伝えたかったことの書き漏れがあったり、内容が上手くまとまらなかったりする可能性があります。
そのため、最も伝えたいポイントは何かを洗い出し、伝えるタイミングなどの構成や展開を考えると書きやすいでしょう。
ポイント3. レイアウトに統一感をもたせる
企画書のレイアウトに統一感をもたせることで、見栄えもよくなり読みやすくなります。具体的には以下の点に注意することで統一感をもたせられるでしょう。
- 表やグラフの配置や間隔
- 本文の開始位置
- 行間や余白
本文の開始位置がそろっておらずガタガタとしていると、レイアウトが気になってしまい本文を読むことに集中できない人もいるでしょう。企画内容がよくても伝わらない可能性があるため、読み手に不快感を与えないように統一感は意識しましょう。
ポイント4. 文字のサイズや書体を統一する
企画書の文字のサイズや書体は、以下の例外を除き、全文を通してなるべく統一することをおすすめします。
- 見出しやタイトル
- 図の説明やキャプション
本文中に目立たせたい重要ポイントがあった場合も、大きさと書体を変えるのは避けるのがおすすめです。まとまりがない印象になるため、色を変えたり太字にしたりして目立たせましょう。
ポイント5. シンプルさを意識する
企画書はポスターではないため、派手なデザインにする必要はありません。なるべくシンプルでわかりやすいデザインを意識しましょう。たとえば、以下のような装飾は企画書では必要ありません。
- 背景に色を付ける
- グラフに影をつける
- グラデーションカラーを使う
企画書のデザインは、あくまでも企画内容を理解しやすくするためにこだわります。かわいらしいデザインではなく、わかりやすく重要なポイントが伝わるかを重視しながら作成しましょう。
ポイント6. 伝えたい情報に応じてグラフを活用する
現状分析など、グラフや表などの視覚的な情報を使った方がわかりやすく伝わるケースもあります。割合を表すときは円グラフ、成長率などの推移を表すときは棒グラフなど、伝えたい情報に応じてグラフを使い分けるのがおすすめです。
グラフがある企画書とない企画書では、伝わりやすさが全く異なるため、なるべくグラフを使って作成することをおすすめします。
企画書のデザインで参考になるサイト3選
企画書のデザインをする際に参考になるサイトは以下の3つがあげられます。
ここからは、3つのサイトについてそれぞれ特徴や参考にすべきポイントをご紹介します。他のサイトを見ることで新しいデザイン案が浮かぶこともあるため、さまざまなサイトを参考にすると良いでしょう。
1. 販促コンペ
引用:販促コンペ
販促会議 企画コンペティション通称「販促コンペ」では、毎年協賛企業のプロモーション課題を解決する「人が動く・売り上げにつながる」アイデアを募集し、コンペを実施しています。その中から受賞した企画書を閲覧できるため、デザインの見やすさだけでなく企画内容も斬新なものが多いでしょう。
多様な業種の事例が豊富に掲載されており、最新のトレンドや効果的なマーケティング手法も同時に学ぶことができます。マーケティングや広告業界で働く人や、販促のヒントを探している方にもおすすめのサイトです。
引用:SlideShare
SlideShareでは、世界各国のスタイリッシュな提案資料・企画書がまとめられており、レイアウトなどを参考にしてみるのも良いでしょう。
海外サイトですが、言語を指定できる絞り込み検索や「プレゼン」「企画書」「資料」などのワードで検索することで日本語の企画書を閲覧できます。
利用者数も非常に多いため、企画書のデザインに困ったときはSlideShareで検索してみるのがおすすめです。
3. 販促会議 マル秘公開 これがプロの企画書だ!
販促会議 マル秘公開 これがプロの企画書だ!では、皆さんも一度は聞いたことがある日本の有名企業のプレゼンで使用されたプロが作成した企画書が多数掲載されています。企業が行った実例を元に、企画書の構成や制作者の意図を具体的に学ぶことができます。リアルな企画書の事例を知りたい人や、企画書のスキルを磨きたい人にとって、実用的で参考になる内容が豊富に揃っています。
企画書のデザインでよくある3つの質問
企画書のデザインをする際によくある質問として、以下の3つがあげられます。
- 企画書のテンプレートをダウンロードできるサイトはありますか?
- 企画書に使える客観的データを得られるサイトはありますか?
- 企画書にはどのような種類がありますか?
ここからは、それぞれの質問について詳しく解説します。
質問1. 企画書のテンプレートをダウンロードできるサイトはありますか?
企画書のテンプレートを利用したい場合は、以下の5つのサイトをおすすめします。
5つとも無料で使えるテンプレートの種類が豊富にあります。初めて企画書を作る場合は、テンプレートを利用してみるのもおすすめです。
質問2. 企画書に使える客観的データを得られるサイトはありますか?
企画書を作る際は、現状分析などの段階で客観的なデータがあると信憑性が高まります。データが必要な場合は、以下のサイトから探してみるといいでしょう。
総務省や経済産業省は膨大な調査データから得た統計データを開示しています。さまざまな業界のマーケティングに利用できるデータが多いため、必要なデータがないか探してみることをおすすめします。
質問3. 企画書にはどのような種類がありますか?
企画書の種類は、おもに以下の3つがあげられます。
- マーケティング企画書
- 事業計画書
- 営業企画書
それぞれ内容や伝える相手が異なります。マーケティング企画書は、商品の魅力よりも商品を売るための戦略を企画書として提出します。社内で発表することが多く、既に実施しているマーケティングの改善案として提出されることが多いでしょう。
事業計画書は、新規事業を立ち上げる際に出資者に向けて発表されることが多い計画書です。事業内容や成長するための戦略をアピールし、より多くの出資を得ることを目的としています。
営業企画書は、営業担当者が自社の商品の魅力を伝えるためにクライアントに提出する企画書です。おもに訪問時に利用することが多く、訪問回数やクライアントによって内容を変える必要があるでしょう。魅力を伝えるだけでなく、クライアントの課題に寄り添いながら自社商品で解決に導けることをアピールしましょう。
まとめ
今回は、企画書のデザインについて押さえておきたいポイントやおすすめの参考サイトをご紹介しました。デザインが見やすくなるだけで、企画の内容がより伝わりやすくなり、魅力も引き立ちます。内容に自信があるのに企画が通らないという方は、一度デザインを見直してみることをおすすめします。