目次
Webマーケティングとは?
「Webマーケティング」とは、簡単にいえばWebサイトを活用した商売を繁栄させるための活動です。
オンラインショップやWebサービス、Webサイトに多くのユーザーを集客し、サイト上で販売する商品・サービスの購入や利用を促します。
スマホやSNS、インターネットの普及やオンラインショップの台頭によって、企業の多くが注力しているマーケティング手法の一つです。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いは「扱う領域」です。
Webマーケティングでは、企業が運営するWebサイトを充実させて流入数を増加させるとともに、ユーザーをいかに自然に目的地に誘導させてアクションに繋げていくかを考えます。
そのため、WebマーケティングはWebサイトを軸に考えるマーケティングといえるでしょう。
一方、デジタルマーケティングはWebサイトだけでなく、デジタルで取り扱われるあらゆるデータを活用するマーケティング手法です。
Webマーケティングの歴史
アメリカの電話会社「AT&T」が1994年にオンライン雑誌ではじめてバナー広告を掲載したことで、Webマーケティングの歴史が始まりました。
当時は、GoogleのようにWebサイトを気軽に探せるサービスが存在しなかったため、雑誌に掲載されるアドレスをもとにサイトへアクセスしたそうです。
検索エンジンが誕生しサービスが開始された1990年代後半になると、Webマーケティングの歴史が本格的に始まります。ロボット検索型エンジンの登場によってSEO対策というWebマーケティング手法が発達しました。
2000年代になるとAmazonなどのネットショッピングが台頭します。個人ブログなども増えたことで集客チャンネルが拡大し、さらにスマホやSNSが誕生したことで爆発的に普及していきます。
その結果、アクセス解析ツールやLPOといったツールが開発され、現在のWebマーケティングとして形成されました。
参考:始まりは1994年のあのバナーから、Webマーケティングの歴史を振り返る | 日経クロステック Active
Webマーケティングの重要性
Webマーケティングの重要性が高まっている背景として、次の2つが挙げられます。
Webマーケティングの重要性が高まっている背景
- ネット起点のユーザー行動が増えている
- ビジネスとして効果測定をしやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ネット起点のユーザー行動が増えている
Webマーケティングの重要性が高まっている理由は、ユーザーがインターネット検索によるWebサイトやSNSを介して商品を認知したり、サービスを利用したりしているからです。
また、スマホの普及によってネットショッピングの利用率も増加し、ネット経由で商品を購入するユーザーも増えています。
つまり「ネット起点」でユーザーの消費行動が行われているのです。そのため、企業は商品やサービスをインターネット上で認知してもらうことが最初のステップになります。
多くの企業がWebマーケティングに力を入れている現代では、今まで以上に自社のターゲットをより詳細に分析するとともに、相性が良いターゲットに絞って魅力を発信し、購入に繋げなければなりません。
ビジネスとして効果測定をしやすい
ビジネスとして効果測定しやすいのも、Webマーケティングの重要性が高まっている理由の一つです。
たとえば、雑誌や新聞といったマスメディア上で広告を掲載したとしましょう。これらの広告も一定の効果を期待できます。
しかし、何人の目に広告が触れたのかは、新聞の購読者数と目に触れる確率をもとにおおまかな数値でしか算出できません。また、広告をきっかけにどれくらいの人が興味を持ったかを把握するのも難しいでしょう。
一方、WebサイトやWeb広告であれば、次のような指標を数値として把握することが可能です。
Webマーケティングの指標
- 広告の表示回数
- サイトへの流入数
- クリック回数
- ページの回遊率や離脱数
これらの指標をもとに効果を測定できれば、次回以降の施策改善に繋げられます。また、効果を明示することで、施策にかかる予算も確保しやすくなるでしょう。
Webマーケティングの仕事内容
Webマーケティングの仕事内容として次の3つが挙げられます。
Webマーケティングの仕事内容
- 適切な施策戦略を立てる
- 施策実行中のアクセス解析を行う
- 施策の運用が滞らないよう管理する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切な施策戦略を立てる
WebマーケティングにはWebサイトにユーザーを集めるための「集客施策」と、リピーターを増やすための「リピーター獲得施策」があります。
集客施策の場合は「SEO」や「広告」、リピーター獲得施策の場合は「メルマガ配信」や「SNS運用」など、手法もさまざまです。
そのため、Webマーケティングの担当者は自社の課題点やマーケティング目的を明らかにして、適切な施策戦略を立てる必要があります。
施策実行中のアクセス解析を行う
Webマーケティングの施策は実行して終わりではありません。施策実行中でもアクセス解析を行い、CVR(Conversion Rate)が向上するようにWebサイトを改善する必要があります。
CVRとは、アクセスしたユーザーのうち「資料請求数」や「商品購入数」などに到達した割合のことです。
アクセス解析によって離脱率が高いページを分析して改善策を立てます。改善後はCVRが向上したかどうか確認しながら、施策の経過をみていくことも大切です。
施策の運用が滞らないよう管理する
施策戦略をただ決めて実行しているだけでは、運用が滞ります。運用方針やゴールの設定、達成期限などを決めて取り組むことが大切です。
また、どれくらいの成果が出ているのかわかるように、目標達成のための道しるべとなる「KPI」や「KGI」を設定しておくと、滞りなく運用できるでしょう。
Webマーケティングに必要なスキルは?
Webマーケティングに必要なスキルとして、次の3つが挙げられます。
Webマーケティングに必要なスキル
- Webサイトの構築スキル
- データ分析スキル
- コミュニケーションスキル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Webサイトの構築スキル
Webサイトの構築スキルとして、次のような知識が挙げられます。
Webサイトの構築スキル
- HTMLやCSS、PHPなどのプログラミング関連の知識
- Webの特性やセキュリティ関連の知識
- WebデザインやWebライティングなどの工程に関する知識
WebサイトやWebサービスの解析・改善を行うには、その構造を正しく理解しておかなければなりません。プログラマー並みとはいかずとも、Webサイトの構築スキルは最低限身に着けておく必要があります。
データ分析スキル
Webマーケティングは集客や売上を向上させるために、Webサイトへのアクセス数や売上率、顧客ニーズ、購入数、広告・メルマガ効果など、さまざまデータを抽出して分析しなければなりません。
正しい情報を収集して正確な分析をするには、データ分析スキルが必須です。
また「Googleアナリティクス」や「PageSpeed Insights」といった分析・解析に関するツールも活用します。
企業によって利用するツールは異なるものの、Googleアナリティクスのような利用率の高いツールの操作スキルは、ぜひ習得しておきたいところです。
コミュニケーションスキル
Webマーケティングはその業務上、営業やWebデザイナー、ライティングといった複数の部門やチームと連携して仕事を進めます。また、場合によってはクライアントとのやり取りを担当するケースも少なくありません。
そのため、相手の要望や意向を汲み取り、意思疎通を図るためのコミュニケーションスキルが不可欠です。社内調整やクライアント対応をスムーズにし、円滑にプロジェクトを進めるためにもぜひ身につけておきましょう。
Webマーケターに向いている人とは?
Webマーケティングは数値と対峙する機会が多い職種です。そのため、数字やデータ分析が好きという人は、Webマーケターに向いているといえるでしょう。
また、Web業界は特に変化の早い業界です。日々トレンドが変化しますし、検索エンジンのアルゴリズムがアップデートされると最適なSEO手法も変化します。よって、継続的に学習しながら柔軟に変化できる人も向いています。
Webマーケターのキャリアパス
Webマーケターは高いスキルが求められる業務です。そのため、Webやマーケティング知識を深めながらスキルを磨けば、課長や部長、プロジェクトリーダーといった役職にステップアップするきっかけにもなります。
また、近年の傾向から企業におけるWebマーケターの存在は不可欠であり、転職市場のニーズも高い職種です。よって、大企業や他のマーケティング領域への転職など、キャリアアップの幅も広がります。
Webマーケティングの学習について
独学だったり、実務で学んだりなど、Webマーケティングの学習方法はさまざまです。特に、Webマーケティング担当者になったばかりだと、日々の業務をこなしながらどのように学習していくべきか悩んでいる方は多いでしょう。
ここでは、Webマーケティングを学習するにはどのような方法があり、どの方法が適しているのかをみていきます。
Webの情報で独学する
Webマーケティングは、Webの情報をもとに独学で習得することもできます。ただし、独学という性質上、学習すべき範囲を自分で線引きしなければならず、学習のゴール設定が難しいのが実情です。
また、独学は自分を律して取り組まなければならないためモチベーションが上がりにくく、独立・転職するレベルまでスキルを習得するには時間がかかります。
そのため、可能な限り実務でフィードバックをもらえる環境を用意したほうが、学習内容の習得も早まるでしょう。
書籍で学習する
Webマーケティング初心者がWebマーケティングの基礎を習得するには、書籍による学習もおすすめです。
専門用語などもわかりやすく紹介されているため、Webマーケティングに関する書籍を数冊読めば最低限の基礎知識や専門用語を覚えられます。
また、書籍を読んだ後にノートにまとめるなどしてアウトプットすれば、学習効果を高められるでしょう。近年は、漫画形式でWebマーケティングを学べる書籍も増えています。
無理に難しい参考書を購入するのではなく、自身にあったものを選ぶことで頭に入れやすくなるでしょう。
セミナーで学習する
書籍で学習するのが苦手な場合は、セミナーもおすすめです。セミナーであれば、Webマーケティングのポイントをまとめて解説してもらえるので、理解しやすいでしょう。
セミナーによっては質問の機会も設けられるため、疑問をその場で解決できるといったメリットもあります。最近では自宅で気軽に参加できる「オンライン講座」や「オンラインセミナー」も増えています。自分と相性にあったものをぜひ選んでみてください。
Webマーケティングの実務にあたる
自身でWebサイトを構築し、副業やフリーランスという形で行うのも一つの学習手段です。
Webマーケティング初心者の状態からWebサイト運営を始め、SEOコンサルティングとして独立した人やアフィリエイト広告で収益を得ている人は多く存在します。
アフィリエイト広告で収益を得るにはアクセス数を増やさなければならず、Webマーケティングが欠かせません。書籍やセミナーで学習するのも大切ですが、本当の意味でWebマーケティングのスキルを習得するには実務が最も効果的です。
Webマーケティング担当者におすすめの資格紹介
Webマーケティング担当者におすすめの資格やツールとして、次の3つが挙げられます。
おすすめの資格やツール
- ウェブ解析士
- マーケティング・ビジネス実務検定
- Googleデジタルワークショップ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウェブ解析士
ウェブ解析士とは、Webマーケティングに欠かせない専門知識やスキルを認定する資格です。ウェブ解析士には次の3つのランクがあります。
- ウェブ解析士
- 上級ウェブ解析士
- ウェブ解析士マスター
これらの順番に資格を取得すれば、アクセス解析データなどを活用しながら、事業成果に繋がるPDCAを回せるようになるでしょう。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティング・ビジネス実務検定とは、マーケティングの基本概念をはじめ「消費者行動」「マーケティング戦略」「実務レベルのマーケティング事例」と幅広い知識があることを認定する資格です。
難易度は高い順に「A級」「B級」「C級」と3つのランクに分かれ、資格を取得すれば基礎から応用までの実力を証明できます。
Googleデジタルワークショップ
Googleデジタルワークショップとは、Googleが提供している無料学習ツールです。Webを活用した販売や集客の基礎を学習できます。
Webマーケティングをこれらから独学で学習する、Webマーケティング担当者になったばかりでどこから手をつけてよいのかわからないという方にはおすすめのツールです。
まとめ
未経験であっても書籍やセミナーを活用すれば、独学でもWebマーケティングスキルを習得することが可能です。
しかし、Webマーケティングには「Webサイト構築スキル」「データ分析スキル」「コミュニケーションスキル」など、非常に幅広いスキルが必要となるため、習得にはどうしても時間がかかります。
また、実際にWebマーケティング業務に携わってみないとわからないことも多いです。したがって、Web担当者やWebマーケターとして早々に活躍したいのであれば、実務で学んでいくのが近道だといえるでしょう。
ただし、関連部署に身を置いていない限りは、実務で学びたいと思っても実現が難しいかもしれません。できることから少しずつ始めて、まずは継続的に学習できる環境を整えてみてください。