目次
Googleアナリティクス4とは?
GoogleアナリティクスとはGoogleが提供する無料のアクセス解析ツールです。
その中で、Googleアナリティクス4は、新しくできた「プロパティ」を意味します。そんなGoogleアナリティクス4について理解を深めるために、次の3つの内容を取り上げました。
- ユニバーサルアナリティクスとは
- Googleアナリティクス4に移行すべき?
- Googleアナリティクス4への移行期限
それぞれの詳しい内容について解説します。
ユニバーサルアナリティクスとは
ユニバーサルアナリティクスとは、Googleアナリティクスの前世代のタイプです。
機能は基本的に無料で利用できます。Webの分析を行う方にとっては、なくてはならないツールといっていいでしょう。2020年10月14日以前は、デフォルトとして使われていました。
ユニバーサルアナリティクスには、データの反映速度やデータ量の上限が異なる有料版「Googleアナリティクス360」もあります。世代交代はされたものの、未だ多くの方がユニバーサルアナリティクスを利用しているのが実情です。
Googleアナリティクス4に移行すべき?
無料のユニバーサルアナリティクスの計測は、2023年7月1日に終了すると発表されています。そのため、継続しての利用ができなくなります。
つまり、Googleアナリティクス4に移行すべきかではなく、使うか使わないかのどちらかを選ぶ必要性があります。今後もWeb解析を続けるためには、Googleアナリティクス4へ移行せざるを得ません。
Googleアナリティクス4への移行期限
Googleアナリティクス4へ移行するなら「2023年7月1日」が期限となります。ただし、Googleアナリティクス4は設定する以前のデータは蓄積されません。2023年7月1日までに設定できていないと、データのない期間が生じます。
そのため「早めにGoogleアナリティクス4へ移行したい」「ユニバーサルアナリティクスとの数値差を見たい」といった方は、2023年7月1日より数か月前に導入する必要があるでしょう。導入すれば、2つのデータ比較が可能です。
一方、現在のユニバーサルアナリティクスで解析していない場合は、焦って移行する必要はないでしょう。Googleアナリティクス4の詳しい情報が出てくるのを待ちつつ、徐々に移行するのも一つの手です。
Googleアナリティクス4にアップデートされる3つの背景
Googleアナリティクス4にアップデートされる背景として、次の3つが挙げられます。
Googleアナリティクス4にアップデートされる背景
- Cookieに対する依存から脱却
- プライバシー保護への取り組み
- ユニバーサルアナリティクスによる機能拡張の限界
Googleアナリティクス4へのアップデートは、現在の時代背景が密接に関係しています。それぞれの詳しい内容について見ていきましょう。
Cookieに対する依存から脱却
Googleアナリティクスがアップデートされる背景には「Cookieに対する依存から脱却」が挙げられます。Cookieとは、閲覧するWebサイトにユーザー情報を保存する仕組みのことです。
スマホやタブレットが広く使われるようになったことにより、ユーザーの行動が変化しました。そのため、Cookie情報だけではユーザー情報の計測が難しくなってきています。
また、近年のプライバシー保護の加速により、ユーザー情報の取り扱いが厳しくなった点も理由の一つに挙げられます。
プライバシー保護への取り組み
プライバシー保護への取り組みも背景の一つとして挙げられます。前述のとおり、現在はプライバシー保護への意識が高まっており、ユニバーサルアナリティクスでは対応しきれなくなっているのです。
一方のGoogleアナリティクス4は、現代の考え方に合わせプライバシー保護を中核に設計され「プライバシーを配慮したデータ収集」といった機能が組み込まれています。
ユニバーサルアナリティクスによる機能拡張の限界
ユニバーサルアナリティクスによる機能拡張の限界も、背景の一つです。
ユニバーサルアナリティクスでは、取得するデータをページ単位で見ていました。しかし、現在ではページという概念がないアプリなどもあり、ページビューに対する考え方も変化しています。
今までもさまざまな機能拡張が行われてきましたが、Googleでのデータ保持が難しくなった点も大きな理由として挙げられるでしょう。
Googleアナリティクス4とユニバーサルアナリティクスとの違い
Googleアナリティクス4とユニバーサルアナリティクスの違いとして、次の5つが挙げられます。
Googleアナリティクス4とユニバーサルアナリティクスの違い
- 機械学習の導入
- 計測方法の変更
- 取得できるデータ種類
- BigQueryとの連携
- レポート画面の変更
いずれも、今後Googleアナリティクス4に移行しようと考える方は理解しておきたい内容です。違いごとの詳細について紹介します。
機械学習の導入
従来のユニバーサルアナリティクスでも、ユーザーの行動を元にしたデータの分析は可能です。
さらに、Googleアナリティクス4には機械学習(AI)が導入されています。その結果として「購入に至る確率」や「離脱する確率」といった過去データだけでなく、未来を予測できます。
「購入に至る確率」= アプリやサイトを見たユーザーが、その後7日以内に購入する可能性を予測する機能
「離脱する確率」= アプリやサイトに訪れていたユーザーが、その後7日以内に利用しなくなる可能性を予測する機能
計測方法の変更
ユニバーサルアナリティクスではユーザーのサイト流入から離脱までの一連の行動を表す「セッション」を指標としていました。一方、Googleアナリティクス4では「イベント」を指標としています。
イベントとは、ユーザーのアクションのことで「スクロール数」「離脱クリック」「サイト内検索」などが挙げられます。
また、ユニバーサルアナリティクスではセッションごとの計測に個別でのタグ設定が必要でしたが、Googleアナリティクス4では、イベントを自動で計測することが可能です。
取得できるデータの種類
Googleアナリティクス4では、取得できるデータの種類も増えています。主に、次のようなデータに関して複雑な設定なしに取得できます。
Googleアナリティクス4で取得できるデータの種類
- YouTube動画の再生回数
- ダウンロード数
- 外部サイトへのリンククリック数
- ページの90%までスクロールされた数
- サイト内検索
ユニバーサルアナリティクスよりも、ユーザーのサイト内での行動を容易に把握できるようになっています。
BigQueryとの連携
ビッグデータを超高速で解析できるツールの「BigQuery」は、ユニバーサルアナリティクスの有料版に付加されていましたが、Googleアナリティクス4では標準搭載されました。
Googleアナリティクス4で計測した「イベント」のデータとBigQueryの連携ができるため、より深いデータの分析や解析が可能です。BigQuerとの連携によって分析できる主な内容は次の通りです。
BigQuerとの連携によって分析できる主な内容
- データをSQLによって分析
- データを既存データと統合して分析
- 複数データソースを掛け合わせた高度な分析
いずれも、ユーザーのアクションをより深く把握する際に役立ちます。
レポート画面の変更
Googleアナリティクス4ではレポートのメニューが多くなり、画面自体も「Firebase Analytics」のような画面にリニューアルされました。Firebase Analyticsとは、モバイルアプリに特化したサービスです。
たとえば、ユニバーサルアナリティクスではサイドメニューが「10項目」であったのに対し、Googleアナリティクス4では「6項目」に変更されています。
その他にも、表やグラフのレイアウトが変更され、アプリの使用状況やユーザーエンゲージメントも表示可能です。
Googleアナリティクス4へ移行する際の3つの注意点
Googleアナリティクス4は、現代の変化に合わせたアップデートではあるものの、導入に際して注意しなければならない点もあります。主な注意点は次の3つです。
導入に際しての注意点
- 学習コストが生じる
- ユニバーサルアナリティクスからデータを移行できない
- Googleサーチコンソールと連携できるかは不透明である
ここでは、注意点ごとの詳しい内容について解説します。
学習コストが生じる
Googleアナリティクスに移行する際は「学習コスト」が発生する可能性があります。つまり、Googleアナリティクスについて知るための、学習が必要になるということです。
Googleアナリティクス4を活用するには、ユニバーサルアナリティクスとは異なる操作や考え方について理解しなければなりません。学習計画を事前に立て、無駄なコストが発生しないように注意しましょう。
ユニバーサルアナリティクスからデータを移行できない
ユニバーサルアナリティクスからGoogleアナリティクス4には、データ移行ができません。
そのため、ユニバーサルアナリティクスとGoogleアナリティクス4の双方で今のうちからデータを取得しておくのが得策といえるでしょう。本格的に導入を考えるなら、早めに計画するのがおすすめです。
Googleサーチコンソールと連携させる
Googleアナリティクス4は、ユニバーサルアナリティクスと同様にGoogle検索の掲載順位を監視・管理できる「Googleサーチコンソール」との連携が可能です。
Googleサーチコンソールのパフォーマンスレポートのデータを連携させるために、設定を行うようにしましょう。
Googleアナリティクス4の設定方法
Googleアナリティクス4の設定方法について、次の2パターンを紹介します。
- グローバルサイトタグを使用して接続する
- Googleタグマネージャーで接続する
それぞれの詳細をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
グローバルサイトタグを使用して接続する
グローバルサイトタグ(gtag.js)を利用している方向けの接続方法では、ユニバーサルアナリティクスのプロパティ内にある「トラッキング情報」から「トラッキングコード」を選択します。
選択後、「接続済みのサイトタグ」をクリックしましょう。IDの入力場所がありますので、「G-」で始まるIDを入力すれば接続ができます。
IDの確認方法については、「プロパティ」から「データストリーム」を選び、計測したい「ウェブストリーム」を選択しましょう。「ウェブストリームの詳細」画面が開くので、その中の「測定ID」を確認します。
Googleタグマネージャーで接続する
タグマネージャーを利用している方の接続方法もあります。タグマネージャーの管理画面を開き、タグメニューの「新規」をクリックします。
「タグタイプを選択」からコンテナ内に「Googleアナリティクス4設定」のタグを選び、追加していきましょう。配信トリガーに「ALL Pages」を追加し、設定が完了となります。
まとめ
ユニバーサルアナリティクスの計測終了が迫っている今、Googleアナリティクス4の導入について考えていかなければなりません。
Googleアナリティクス4は機械学習が導入されていたり、計測方法が導入されていたりと、ユニバーサルアナリティクス以上の機能を持ち合わせています。
余裕を持って移行できるように情報収集を進め、導入を考えていきましょう。