目次
ホームページ制作の費用はどのように決まるのか
ホームページ制作の費用は、次の3つの要素によって決まります。
- 依頼先
- ホームページのタイプ
- 作業範囲
費用は、それぞれの要素が相関して決まります。要素ごとの詳しい内容について見ていきましょう。
依頼先
ホームページ制作は依頼先によって費用が変わります。主な依頼先は次の4つです。
ホームページ制作の主な依頼先
- 制作会社
- フリーランス
- クラウドソーシング
- ホームページ制作アプリ
依頼先の形態によって費用が異なるだけでなく、強みや弱みにも違いがあります。
そのため、自分たちが制作したいホームページのイメージを汲み取り、さらには予算内に収めてくれる依頼先を選ぶ必要があります。まずはホームページのタイプから見ていきましょう。
ホームページのタイプ
主なホームページのタイプは、次の4つです。
主なホームページのタイプ
- コーポレートサイト
- ECサイト
- ランディングページ
- メディアサイト
「自社や商品やサービスの認知」や「求人募集」といったように、ホームページを制作する目的によってタイプが異なります。タイプ別の制作費用相場については後述します。
作業範囲
ホームページ制作にはさまざまな工程があり、依頼する作業範囲によって費用が異なります。ホームページが制作されるまでの主な作業範囲は次の6つです。
ホームページ制作の主な作業範囲
- ディレクション
- デザイン
- コーディング
- システム構築
- マーケティング支援
- 運営管理
ホームページの制作を依頼する際、何を外注して何を内製するかを明確にしておく必要があります。作業範囲は、自社のリソースや経営戦略に合わせて決めなければなりません。
依頼先別に見るホームページ制作費用相場
依頼先別のホームページ制作費用相場について、以下の表にまとめました。
制作会社 | 20万円〜100万円 |
フリーランス | 10万円〜50万円 |
クラウドソーシング | 数万円〜30万円 |
ホームページ制作アプリ | 無料〜5,000円程 |
依頼先ごとの費用相場や特徴、メリット、デメリットについて詳しく解説します。
参考:ホームページ作成費用の相場は?依頼先のタイプ別に丁寧に解説
制作会社
依頼先の中で最も相場が高いのが制作会社で、費用の相場は「約20〜100万円」となります。
ホームページ制作を専門とする制作会社に依頼することで、質の高いサイトが期待できます。また、制作会社であれば技術面での造詣も深いため、ホームページに関する知識がなくても安心して依頼できるでしょう。
ただし、先述の通り制作費用は高くなる傾向にあります。そのため、安価にホームページを制作したい方には向きません。
フリーランス
フリーランスに依頼する際の費用相場は「約10〜50万円」です。制作会社と比較して相場は安価ですが、個人によってスキルにかなり差があるため、事前の見極めが大切です。
制作会社から独立しているフリーランスであれば、高いスキルを持っている人も少なくありません。しかし、経験が浅いままフリーランスになる人も存在します。
フリーランスの依頼先探しにあたっては、あらかじめ過去の実績を開示してもらったり、知人から紹介してもらったりといった工夫が必要となるでしょう。
クラウドソーシング
「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったクラウドソーシングを活用した場合の費用相場は「数万円〜30万円」です。
クラウドソーシングとは、企業がインターネットを通じて個人などに業務を発注する業務形態を指します。
クラウドソーシングを通して依頼するホームページの制作費用は、制作会社やフリーランスの直発注に比べて安い傾向にあります。また、多くの候補者から選べる点も、クラウドソーシングならではのメリットといえるでしょう。
ただし、クラウドソーシングの利用には「約5〜20%」の手数料が発生します。
また、クラウドソーシングの依頼先の大半がフリーランスであることは忘れてはなりません。経験やスキルの乏しい候補者も含まれているため、選定を間違えると、求めるクオリティに至らない可能性もあります。
ホームページ制作アプリ
「Jimdo」や「Wix」などに代表されるホームページ制作アプリを活用すれば「無料〜5,000円程度」でホームページを制作できます。
外部に依頼するよりも費用を大きく抑えられるため、とにかく安価にホームページを作りたい方にはおすすめです。
また、各社それぞれが豊富なデザインテンプレートを用意しており、業種や好みに合わせてホームページを制作できます。制作後の更新や編集についても外注の必要がありません。
ただし、自分で作成する分、手間や時間はそれなりにかかります。また、選べるデザインはアプリによって決まっており、オリジナル性が出しにくい点はデメリットといえます。
ホームページのタイプ別に見る制作費用相場
続いて、ホームページのタイプ別の制作費用の相場を、以下の早見表にまとめました。
コーポレートサイト | 10ページ程度:約40〜130万円 30ページ程度:約80〜170万円 80ページ程度:約150〜320万円 |
ECサイト | モール:無料〜約10万円 ASP:約10~100万円 オープンソース:約100~500万円 パッケージ:約500万円〜 フルスクラッチ:約500〜数千万円 |
ランディングページ | 価格メイン:無料〜約10万円 デザインメイン:約10~30万円 オリジナリティ重視:約30〜60万円 本格的な運用:約50万円~ |
メディアサイト | 簡易的なサイト:約5〜20万円 オリジナルデザインを使用するサイト:約20〜100万円 運用やマーケティングを含むサイト:約100〜300万円 |
ホームページを制作する目的によって選ぶべきタイプが変わります。まずは「なぜホームページを制作するのか」を明らかにし、それに伴う費用感を確認しましょう。
参考:ホームページ作成費用の相場を解説!料金を左右するポイントとは | マネケル
コーポレートサイト
コーポレートサイトとは、企業の概要や商品、サービス、採用、IRなどの情報を伝えるための企業サイトです。
コーポレートサイト制作の費用相場は、サイトの規模によって大きく異なります。小規模向けで「約40〜130万円」、中規模企業向けで「約80〜170万円」、大規模企業向けなら「約150〜320万円」と幅広いです。
コーポレートサイトは、質によって企業イメージが高まる可能性があります。一方、質の低いホームページは企業のイメージを下げるリスクもあります。依頼先ごとの強みや弱みを考慮しながら、質の高いホームページを制作しましょう。
ECサイト
ECサイトとは、インターネットを通じてモノやサービスを販売するサイトのことです。ECサイト制作の費用相場は「~数千万円」となります。
ECサイトには「モール型」と「自社サイト型」の2種類があります。安く制作するなら「モール型」がおすすめです。
モール型
「Amazon」や「楽天市場」のように、複数店舗が集まって1つのショップを形成するECサイト。
モール型ではECサイトを自分で構築する必要がありません。代わりに、出店や販売などに手数料がかかります。
自社サイト型
1から自分でサイトを立ち上げる必要があるため、構築に費用がかかります。
また、自社サイト型の中でも、提供されるクラウド上にECサイトを構築する「ASP」や、一から立ち上げて構築する「フルスクラッチ」など、構築の種類によっても費用が異なります。
ランディングページ(LP)
ランディングページ(LP)とは、購入や問い合わせなどの獲得に特化したWebページを意味します。ランディングページの制作にかかる費用相場は「無料~60万円程度」です。
自作ツールを使えば無料でも制作は可能ですが、高いデザイン性を求めたり、マーケティング運用を求めるとなると、制作会社などへの依頼が発生し、場合によっては高額になるケースもあります。
ランディングページの効果は、依頼先によって大きく異なります。デザインはもちろんのこと、キャッチコピーやコンバージョンまでの導線にも工夫を要するため、依頼先はランディングページの制作実績が豊富な会社を選んだほうがよいでしょう。
メディアサイト
メディアサイトとは、ニュース記事やまとめ記事、企業が運営するウェブマガジンやオウンドメディアなどを意味します。
メディアサイト制作の費用相場は、簡易的なサイトで「約5〜20万円」、オリジナルデザインを使うと「約20〜100万円」、運用やマーケティングを含むサイトでは「約100〜300万円」と大きく異なります。
メディアサイトは記事やコラムなどのコンテンツを発信し、検索エンジンやSNSなどから集客するのが目的です。企業のブランディングに効果があり、発信内容によっては他社との差別化も図れます。
ただし、メディアサイトはページ数や機能が多くなる傾向にあり、費用は高額になりがちです。また、コンテンツの量が少ないうちはページを見られる機会も少ないため、効果が出るまでに時間を要する点には注意が必要です。
作業範囲別に見る費用相場
作業範囲別に見る費用相場については、次の6つに分けてご紹介します。
ホームページ制作の主な作業範囲
- ディレクション
- デザイン
- コーディング
- システム構築
- マーケティング支援
- 運営管理補助
ホームページの制作には複数の工程があり、依頼する作業範囲によって費用相場も大きく異なります。範囲ごとの詳しい内容について見ていきましょう。
ディレクション
ディレクション費は、ホームページ制作料金の20%程度が一般的な価格とされており「約5〜20万円」が相場です。このパーセンテージは、ディレクションにどこまでの工程を含むかによって異なります。また、プロジェクトの状況や依頼先によっても大きく変わるでしょう。
ディレクションの作業範囲は幅広く、依頼者との打ち合わせやホームページの構成、写真などの素材集め、最終確認などが該当します。
デザイン
デザイン費にかかる費用の相場は「約5〜15万円」が相場です。しかし、テキスト中心のシンプルなページを制作するのであれば「1万円程度」で制作してもらえるケースもあります。
デザインにはトップページや下層ページといったホームページ全体のデザイン以外にも、イラストやボタン、ロゴの作成も含まれます。
ただし、依頼先によっては、イラストやロゴの制作に別途費用が発生する場合もあるため、事前に確認しておきましょう。また、デザインの質は担当デザイナーによって大きく変化するため、慎重な選択が求められます。
コーディング
コーディング費の相場はトップページが「約1〜3万円」、下層ページで「約8千円〜2万円」となっています。コーディングとは、画面上の要素が作動するようにコードを書き込む作業のことです。
そのため、デザイン費と同様に、ページの長さや作り込み具合によっても金額が異なります。また、スマートフォンやタブレットなどでも見やすくするための「レスポンシブデザイン」を依頼する場合の費用についても確認しましょう。
システム構築
システム構築費用の相場は「お問い合わせフォーム」や「検索機能」を作る場合で「約2〜3万円」です。CMSツールでの構築であれば、インストールなど基本の設定を含めて「約5〜数十万円」となります。
ただし、プログラミング言語を用いてCMSを構築するなど、高度な開発を伴う場合は「約20〜100万円」と大きな費用がかかる可能性もあります。
マーケティング支援
マーケティング支援にかかる費用相場は、中小企業向けなら「約10〜30万円」、大企業向けもしくは大規模なホームページなら「100万円以上」となります。
検索エンジンで上位表示を狙うSEO対策も、マーケティング支援に含まれます。SEO対策で必須となる「アクセスツール解析」の設置にも「約3〜5万円」の費用がかかるケースがあります。
マーケティング支援の内容に何が含まれるかは依頼先によって異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
運営管理補助
運営管理補助にかかる費用は、月額で「約1〜5万円」が相場です。ただし、ホームページの規模や更新頻度によっても費用は異なり、月に「30万円以上」かかる場合もあります。
ホームページは公開したら終わりではなく、集客するためのコンテンツの追加や修正などが必要です。そのため、自社でも更新作業が行える仕様でホームページを制作してもらうことも、重要なポイントといえます。
ホームページ制作費用を安く抑えるには?
ホームページ制作費用を安く抑える方法として、次の3つが挙げられます。
ホームページ制作費用を安く抑える方法
- 必要要件(機能)を明確にしておく
- 素材は可能な限り自社で用意
- 可能であればテンプレートも検討
いずれも発注側で取り組める内容ばかりです。少しでも安価に導入できるよう、ここではそれぞれの内容について解説します。
必要要件(機能)を明確にしておく
制作費用を安く抑えるには、ホームページの必要要件(機能)を明確にする必要があります。使用しない機能や目的に沿わない内容を伝えないまま制作をスタートすると、その分、不用な費用がかかります。
また、必要要件を後から追加したい場合、手戻りが発生して工数が増え、納期がズレたり追加費用が生じてしまったりする可能性もあります。制作内容はしっかり確認した上で、必要要件を洗い出しましょう。
素材は可能な限り自社で用意
ホームページに利用する素材を自社で用意すれば、制作の費用が抑えられます。写真や画像、動画を依頼先に用意してもらうと、その分費用がかかります。
そのため、ホームページを制作する前段階から必要となる素材を洗い出し、外注する素材と内製する素材を分けておきましょう。
可能であればテンプレートを検討
制作会社やフリーランスに制作を依頼するのではなく、テンプレートを利用してホームページを制作することも視野に入れてみましょう。
特に費用を抑えたい場合は、制作費が安く済むテンプレートやパッケージを検討してみてください。
まとめ
ホームページ制作に必要な費用は、依頼先やホームページのタイプ、依頼する作業範囲によって大きく異なります。これらの要素を検討する上で重要なポイントは、ホームページを制作する「目的」です。
依頼先やホームページの規模によっては、数百万円以上の費用がかかる場合もあります。その額が適正かどうかは、ホームページを制作する目的や制作内容によって異なります。
まずは、目的を達成するために「どのようなサイトが適しているか」「どのようなデザインが必要か」といった点を検討し、それに見合う費用相場で制作する方法を探してみてください。