LPOとは?
LPOとは、コンバージョン率をあげるためにLPのデザインやキャッチコピーなどを改善し最適化することをいいます。コンバージョン率とは、サイトの全訪問者のうち実際に商品を購入したり申し込んだりした人の割合のことです。
コンバージョン率が低いと効果的なLPとはいえないため、制作後も定期的にツールを使用しLPOを実施する必要があります。ここでは、LPOの目的や間違えられやすいSEOなどとの違いについてご紹介します。
LPOの目的
LPOの目的は、LPの訪問者のコンバージョン率をあげて効果的なLP運用をすることです。コンバージョン率を上げるためにはまずページから離脱される前に商品の魅力を伝える必要があります。
LPを制作した後、離脱率が高かったりコンバージョン率が低い場合は、適時改善を行うことが求められます。コンバージョン率を向上させることで、LPの費用対効果が最大化されます。
SEOやEFOとの違い
1. SEOとの違い
SEOとは「検索エンジン最適化」のことであり、特定のキーワードを検索した時に記事が検索上位に乗りやすくするために実施する改善処置です。Webでの集客によりアクセス数を稼ぐことを目的としている点はLPOと似ています。
2. EFOとの違い
EFOとは「入力フォーム最適化」のことであり、使いやすい入力フォームに改善することでコンバージョン率を上げることを目的としています。購入ボタンを押しても入力フォームが使いづらい場合、入力作業が面倒に感じて離脱につながります。コンバージョン率を下げる原因になるため、LPOと並行して実施することをおすすめします。
LPOが持つ4つの特徴
LPOの特徴として、以下の4つがあげられます。
- コンバージョン率の向上が期待できる
- 広告の費用対効果を検証できる
- SEOの効果は見込めない
- EFOも含まれる
ここからは、それぞれについて詳しく解説していきます。LP運営をするメリットにもあたるため、LPを制作した場合はチェックしましょう。
1. コンバージョン率の向上が期待できる
LPOの大きな特徴として、コンバージョン率を促進する効果が期待できることがあげられます。離脱が多い箇所を解析したり、ABテストなどを利用してより反応がいいデザインに変更したりすることで離脱を防ぐことにつながるでしょう。
離脱を防げれば最後まで読んでもらえる確率が上がり、コンバージョン率を高められます。コンバージョン率の向上は業績アップに繋がるため、定期的なLPOを実施しましょう。
2. 広告の費用対効果を検証できる
テレビや雑誌などの広告の場合、商品の適切なターゲット層に届いているか確認できず、広告に対する見込み客の反応をデータ化できないデメリットがあります。そのため、費用対効果が弱く莫大な広告費をかけても効果があまり見られない可能性があるでしょう。
LPOではアクセス解析が可能であり、広告を出している媒体ごとに反応を検証したり、離脱率やクリック率、流入経路などを詳しく把握したりできます。よって、少ない費用でも高い効果が期待できるでしょう。
3. SEOの効果は見込めない
LPOでは広告の文言とファーストビューの文言を合わせる必要があります。そのため、SEO対策で必要なキーワードなどは全く考慮されないため、SEO効果はあまり見込めません。
また、視覚的なインパクトを高めるために、大きな文字やデザイン性の高い要素を使用するケースも多くあります。これらはテキストではなく画像として取り扱われることが多いため、検索エンジンが画像を解析できず、SEOの観点から不利になる可能性があります。そのため、検索エンジンにも内容を伝えられてより効果の高いLPにするためにも、使用する画像には適切な代替テキストをつけることがおすすめです。
4. EFOも含まれる
訪問者の行動を解析をした時に、申し込みボタンで離脱率が高くなっている場合は入力フォームが原因であることが考えられます。
訪問者に入力の手間を取らせず面倒な印象を与えないように改善しましょう。EFOを実施すれば、コンバージョン率の上昇につながるでしょう。
EFOの実例を3つ紹介します。
- 不要な入力項目を削除する
- 郵便番号の入力で住所が自動的に入力されるようにする
- 全角で入力された英数字を自動で半角に変換するようにする
LPOを実施する際の流れは4ステップ
LPOを実施する際は、以下の4つのステップに従って実施しましょう。
- 現状を把握して問題点を洗い出す
- 仮説を立てて対策内容を決定する
- 改善施策を実行して検証する
- テスト結果を振り返る
それぞれのステップについて詳しく解説します。
ステップ1. 現状を把握して問題点を洗い出す
はじめにアクセス解析を実施し、訪問者の行動や流入元を把握します。その際、以下の点に注意して解析することをおすすめします。
- コンバージョンボタンをクリックするまでのLP全体の閲覧履歴
- 流入・離脱が多いページ
- 流入元となる検索キーワード
- 流入・コンバージョン率が高い広告デザイン
閲覧履歴や流入・離脱が多いページの解析は、LPの改善点を探すのに役立ちます。ヒートマップなどを活用して解析すると分かりやすくておすすめです。
流入元となる検索キーワードやコンバージョン率が高い広告を把握することで、それらに合わせたLPの中身に改善できます。これにより、サイトを訪問した人が実際にLPを見て感じるギャップを小さくし離脱しにくくなるでしょう。
また、LPOではいくつかデザインを作成し、どのデザインに対する反応がいいかを検証するABテストもあります。より流入・コンバージョン率が高いデザインに絞ることで費用対効果も高くなります。
ステップ2. 仮説を立てて対策内容を決定する
洗い出した問題点に、原因の仮説を立てて対策内容を決めます。たとえば、離脱率が高い場所が明確な場合、以下の2つが原因である可能性があります。
- 訪問者が必要とする情報が不足している
- 申し込みボタンの位置が悪く、スムーズに申し込める動線が整っていない
これら2つの原因に対して対策を練ります。情報内容やボタンの位置は適切かを見直し、いくつかのデザインを用意してABテストを実施するのが効果的です。
ステップ3. 改善施策を実行して検証する
改善策が効果的であるかを確かめるために、いくつかのツールを使用して検証します。以下の方法がわかりやすくおすすめです。
- ABテスト
- ヒートマップ
ABテストはいくつかのデザインを実装し、流入率や離脱率、コンバージョン率などにおいてどのデザインが一番効果的かを比較します。
ヒートマップはサイト訪問者がよく見ている箇所・よくクリックする箇所などが色の濃淡でわかるツールです。離脱率やページの閲覧履歴がわかるため、コンバージョンまでの行動を可視化できます。
ほかにもさまざまなツールがありますが、一度に全てのツールを使用するとどれが原因か分からなくなります。そのため、タイミングをずらして一つずつ検証しましょう。
ステップ4. テスト結果を振り返る
検証結果から、どの対策が効果的であったか判断します。最も効果的であったデザインを実装し、再び同じテストと検証を繰り返してより効果的な運用を実施するのがLPOです。
LPOの効果は持続する訳ではなく、定期的に実施することで効果を保てます。また、一度のLPOで効果が劇的に上がることも少ないため、非常に根気がいるでしょう。
LPO対策における5つの改善方法
LPO対策における改善方法として、以下の5つがあげられます。
- 広告とファーストビューの内容を一致させる
- 他のページへのリンクを減らす
- コンテンツにストーリー性を持たせる
- ツールを活用して効果測定する
- 信頼を与えるコンテンツを設置する
ここからは、改善方法について詳しく解説します。それぞれ5つを実施することで効果的なLPになるでしょう。
1. 広告とファーストビューの内容を一致させる
広告に表示されている文言とファーストビュー(LPを開いて一番最初に表示される箇所)のキャッチコピーの文言を一致させます。広告のキャッチコピーに惹かれてサイトを訪問したのにも関わらず、ファーストビューで全く違う文言が書かれていると訪問者が混乱し離脱につながります。
同じ文言が書かれていれば離脱せずコンバージョンまで繋がる可能性が高まるため、広告とファーストビューの内容は揃えましょう。
2. 他のページへのリンクを減らす
他のページへのリンクがあると、他のページへ移動してしまいコンバージョン率が下がる原因になります。なるべく申し込みフォームなどのリンクのみに絞り、他のページへの離脱を防止することが重要です。
離脱せずに商品の魅力を熟読させられればコンバージョン率向上に繋がるため、なるべく他のページへのリンクを減らす方が良いでしょう。
3. コンテンツにストーリー性を持たせる
LP全体にストーリー性を持たせることで、訪問者自身が商品を使用した時のイメージが湧きやすくなります。例えば、実際に商品を使用した効果などのデータを上げたり、使用する際のポイントなどを載せることで商品の説得力が増します。
「自分が使用しても効果を得られるかもしれない」と思わせられるだけでなく、読み進めやすい内容になるため離脱率も防げます。コンバージョン率も上がるため、ストーリー性を持たせた内容にするのがおすすめです。
4. ツールを活用して効果測定する
効果の測定にはツールを活用するのがおすすめです。訪問者の行動や流入元、コンバージョン率や離脱率などを測定できるツールが多くあり、無料で使えるものもあるため最大限活用しましょう。
たとえば、LP内での訪問者の行動を解析したい場合はヒートマップを使用します。離脱率が高まっているところや何度も熟読されている場所などが可視化されて明確になるため、効率よく効果測定ができます。
5. 信頼を与えるコンテンツを設置する
信頼を与えるコンテンツとは、主に運営者情報のことを指します。商品を販売している会社の情報を細かく載せることで訪問者に安心感を与えられるでしょう。
またLPで紹介している商品の他にも、販売しているものやブランドがあれば載せることで信頼感が高まるため、載せることをおすすめします。
LPOについてよくある3つの質問
LPOについてよくある質問として、以下の3つがあげられます。
- LPO対策で避けるべきことはありますか?
- LPOツールを導入する際のポイントはありますか?
- おすすめのLPOツールはありますか?
ここからは、3つの質問について詳しく解説します。
質問1. LPO対策で避けるべきことはありますか?
LPO対策では、以下の3つを避けることでコンバージョン率の向上につながります。
- 広告とファーストビューで文言や内容を変える
- 他のページへのリンクを増やす
- 入力フォームの項目を増やし複雑化させる
直帰を防ぎ、LPの滞在時間を長くすることでコンバージョン率は高まります。また、ボタンをクリックしても入力項目が多く、面倒な印象を与えてしまうと成約につながりません。細部までこだわってLPOを実施してみてください。
質問2. LPOツールを導入する際のポイントはありますか?
LPOツールを導入する際は、以下の3つに注目することをおすすめします。
- 費用対効果が見込めるか
- 運用体制が十分か
- 必要な機能が搭載されているか
LPOツールには費用がかかるものもあります。売上よりもLPOに費用がかかっていては本末転倒なため、費用対効果は見込めるのかを見極めることが重要です。
また、効果的なLPOツールを使用しても運用体制が整っていなければ意味がありません。きちんと使いこなせるツールであるかなど、導入前に確認しましょう。
実際にツールを使い始めてから「見たい数値を計測する機能がなかった」となっては手間も費用ももったいないです。使いたい機能が搭載されているかも、導入前に確認しておく必要があります。
質問3. おすすめのLPOツールはありますか?
おすすめなLPOツールとして、以下の3つがあげられます。
- Visual Website Optimizer(ビジュアル ウェブ オプティマイザー)
- HubSpot(ハブスポット)
- ヒートマップ
特にVisual Website Optimizerは世界の6,000社以上で導入されており、専任のコンサルタントもついているため使いやすいでしょう。日本では唯一、株式会社アッションがプレミアムパートナーとして導入をサポートしています。
ヒートマップは色々な企業がヒートマップツールを提供しているため、費用や機能を比べながら自社に合うものを見極めましょう。
まとめ
今回はLPOについて特徴や具体的な流れ、効果的な方法などをご紹介してきました。高額な費用をかけてLPを制作しても運用ができなければ意味がありません。
根気がいる作業ですが、テスト・検証を繰り返し、訪問者の立場になって改善することで高い効果を見込めます。LPの制作後、運用方法が分からない場合や体制が整っていない場合はこの記事を参考にLPOを実施することをおすすめします。