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ホームページ制作依頼前に押さえるべきポイント
ホームページ制作は、自社の活動やサービスの発信、PRのためにも非常に重要です。
昨今はノーコードツールが普及しており、個人で簡単にホームページを制作できるようになりました。
しかし、導入したい機能やデザイン、SEO対策の観点から、本格的なホームページの制作は制作会社へ依頼するケースが今でも一般的です。
制作会社へ依頼する場合は、依頼前にいくつか押さえるべきポイントがあります。
ホームページの目的を明確にしておく
まずは、ホームページ制作の目的を明確にしておきましょう。会社によってホームページを制作する目的は以下のようにさまざまです。
ホームページを制作する目的の一例
- 商品やサービスを幅広く提供するために、それらの製品を周知させたい
- 信頼性を確保するために、会社の情報を公に発信したい
- 優秀な人材を確保するために、求人情報を掲載したい
- 新規取引先獲得のために、活動実績などを掲載したい
会社によってホームページを制作する目的は異なります。これらの目的によって、ホームページが持つべき機能やデザインは大きく変わってきます。
あらかじめ目的を明確にして伝えておかなければ、受注側も漠然としたイメージで制作に取り掛かることになり、求める機能やデザインでないホームページとなってしまう場合があります。
ホームページのターゲットを明確にしておく
目的を明確にしたら、続けてターゲットも明確にしましょう。ここでいうターゲットとは、ホームページを見るユーザー層を指します。
ターゲットを明確にすることで、何をホームページに掲載すればよいのかが決めやすくなります。
ホームページを見てほしい人物像を、客観的かつ細やかに考えてみましょう。
たとえば、英会話教室のホームページを作る場合は、次のような人物像が思い浮かぶかもしれません。
- 年齢は20代
- 英語力はメジャーな単語が読める程度
- 海外旅行に行きたいので、日常会話ができるレベルの英語力を身につけたい
英会話教室に通おうと考えている人は、当然英語を習いたい人です。英語を習いたい理由は「海外旅行に行きたい」や「英語圏の友人を作りたい」など、さまざまに考えられます。
今回のような「海外旅行に行きたいから日常会話を身につけたい」という層にホームページを見てもらい、資料請求や入会へ繋げるためには「海外で通用する日常会話ができるレベルまで、丁寧にサポートします」というような内容をホームページ内に掲載して、興味を示してもらうことが重要です。
細かいターゲット設定をいくつか行い、ホームページのデザインや機能によってそれらが体現できれば、宣伝、集客に効果のあるホームページとなります。
ホームページ制作のおおまかな流れ
規模や内容にもよりますが、ホームページ制作は自社制作の場合・制作会社へ依頼する場合ともに、おおまかに以下の流れで進んでいきます。
企画・見積もり段階
目的・ターゲット層の設定を行なった後、競合他社のリサーチや自社が掲載するべき情報の整理などをまとめて、ホームページの企画を立案します。
企画の段階でホームページの方向性を定めておくことで、以降の制作フェーズにおける業務効率化や、認識齟齬の防止に繋がります。企画内容に問題がないようであれば、各項目に掛かる工数などを算出して、見積書を作成します。
制作段階
企画・見積もり工程が完了したら、実際のホームページ制作段階に入ります。ホームページを訪れたターゲットに対してどのような体験をしてもらうか、訪れた人の使いやすさを意識したサイト設計を行います。
サイト設計後は、設計内容をもとにデザインを制作して、コーディング工程に入ります。コーディング後はサイト内のデザインや機能に不具合がないかテストを行い、問題をすべて解消できれば公開です。
公開後
ホームページは、公開して終わりではありません。公開後のコンテンツ更新や利用しているCMSのアップデートに伴って、新たに不具合が発生する可能性があり、監視・対応を行う必要があります。
また、SNSなどを用いてサイト公開を周知しなければなりません。多くの人の目に触れることによって、ホームページについてさまざまな意見をもらうことができます。
中には今後の運営に活かせる有用な意見をもらえることもあるので、第三者のフィードバックは貴重なデータとして見ておきましょう。
企画・見積もり段階の流れ
企画・見積もり段階について、制作会社へ依頼するケースを例に、おおまかな所要時間も含めた詳細な流れをご紹介します。
制作会社へ問い合わせ
まずはホームページ制作を依頼するにあたって、制作の目的、予算、イメージなどの条件面を整理して、制作会社へ問い合わせます。
条件がいかに詳細であるかによって、制作会社側も具体的な提案ができたり、見積もり作成がスムーズにできたりするため、時間をかけてでも条件面の整理はしっかりと行いましょう。
他の業務との並行も踏まえて、大体1週間〜2週間程度は考えておきたいところです。
ヒアリング
問い合わせ後は、依頼した制作会社と打ち合わせを行います。問い合わせ時に整理した条件をあらためて制作会社側へ伝えた上で、制作会社側からホームページ制作に必要な情報のヒアリングを受けます。
制作会社との打ち合わせは、オンラインの場合は頻度が増える可能性もありますが、実際に会って打ち合わせを行う場合は1、2回が平均です。ヒアリングの所要期間は、1週間〜2週間程度が妥当といわれています。
打ち合わせ時に制作会社の特徴や担当者との相性についても見極め、ホームページを依頼するにふさわしい会社であるかを検討しましょう。
企画
サイトの制作やターゲット層、目的、ヒアリング内容をふまえて、制作会社からホームページの企画立案が行われます。
その上で、現状の課題の整理や競合調査、ブランド戦略、集客のための施策などを決定します。
見積もり
企画立案後は、制作会社からの見積もりを受けます。制作会社は企画をもとに、掛かるコストやスケジュールに基づいて見積もりを提案します。
予算や目標としているスケジュールがあれば、見積もりの内容に問題ないか照らし合わせて確認しましょう。規模にもよりますが、企画・見積もりの工程は2週間程度が目安です。
申込
見積もりに問題がなければ、制作会社に正式に発注します。ここまでの工程を3週間〜4週間程度で進められれば順調です。
制作段階の流れ
制作会社に発注した後は、制作段階に入り、プロジェクトが始まります。制作段階は基本的に制作会社側の作業がメインとなりますが、具体的にどのような作業内容となるかをご紹介します。
サイト設計
ホームページ制作を進めるにあたって、サイトの全体像を定めます。作成するページの種類や導入する機能などについても話し合い、実装工程に入ってからの認識の齟齬を防ぎます。
ここでは、サイト全体のページ構成をリスト形式で表したサイトマップや、ページのレイアウトやコンテンツの配置を定めた設計図であるワイヤーフレーム、サイト内の画面の流れをフロー図(フローチャート)で表すなど、サイトの全体像をより具体的にします。
なお、サイト設計は2週間〜1ヶ月程度が作業期間の目安です。
デザイン制作
サイト設計をもとに、ページのデザインを制作します。ページが複数に渡る場合、まずはトップページのデザインから制作します。
トップページのデザインを制作後、依頼側へデザインが提出され、チェックを行う流れとなります。修正、再度チェック、追加修正を繰り返し、完了すれば次は下層ページのデザインに入ります。
デザイン制作工程は顧客のチェックが入り、またレスポンシブデザインも含めるとページ数も増えるため、制作期間も長くなります。2週間〜1ヶ月程度が作業時間の目安です。
コーディング・開発
デザイン制作が完了したら、コーディング・開発工程に入ります。ここでは、フロントエンド、バックエンド両方の開発を行います。
フロントエンドとはHTMLやCSS、JavaScriptを用いてデザイン通りの見た目を再現したり、動きをつけるためのコードを記述したりして、Webブラウザ上で表示できる状態にする作業を指します。
対して、バックエンドとは一般的にユーザー側には見えないサーバーやデータベースの構築などを行います。
WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を利用する場合は、記事投稿機能の設定やプラグインの導入なども、この工程で行います。デザイン制作と同様、2週間〜1ヶ月程度を要する場合が多いでしょう。
テスト
コーディング後は、ページが正しく表示されるかをテストします。
Webブラウザによっては、他のブラウザと表示が異なり、レイアウトが崩れている場合があります。
そのため、複数のブラウザで問題なく同じレイアウトとなるかをチェックして、修正する必要があります。
また、お問い合わせフォームや決済機能などを実装している場合は、不具合なく動作するかをテストします。
他にも、テキストの誤字脱字やリンク切れ、古い情報を掲載していないかなど、内容についての最終確認もテスト工程で行います。
テスト、確認作業を含めて、2週間〜1ヶ月程度が作業時間の目安です。
本番公開
テスト完了後は、本番公開の工程に進みます。公開用のサーバーに公開に必要なファイル群をアップロードして、本番公開となります。
公開にはサーバーやドメインの準備が必要です。いずれも自社で用意する場合もあれば、制作会社側で用意する場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
ファイルをサーバーにアップロード後は、指定のURLでアクセスできるか、デザインや機能に不具合が発生していないかなどを確認します。問題がなければ、ホームページの公開は完了です。
公開後の流れ
ホームページは、公開したら終わりではありません。サイトが存在する限り、運用を続けて行う必要があります。運用工程では、主に以下の作業を行います。
マーケティング支援
ホームページを作ることによって、マーケティングの幅が広がります。ホームページ経由でのお問い合わせや資料請求の機会を増やすには、次のようなマーケティング施策を行うことが重要となってきます。
マーケティング施策の一例
- SNSを運用しての宣伝
- 検索結果で自社のホームページを上位に表示させるためのSEO対策
- ツールの利用によるアクセス解析
制作会社は、公開後のマーケティング支援も請け負う会社が多いです。自社にSEOやアクセス解析のノウハウがない、SNS運用が難しいといった場合は、引き続き運用支援も依頼しましょう。
保守運用
ホームページはサーバーやデータベースの異常、Webブラウザのアップデートなどが原因で、いつ不具合が発生するかわかりません。
また、悪意ある第三者からの攻撃や、問い合わせフォームからの迷惑メールに対するセキュリティ対策も講じる必要があります。
ホームページを安全に、問題なく閲覧してもらうには、不具合の監視やセキュリティ対策といった保守運用業務が欠かせません。
マーケティング支援と同様に、制作会社では保守運用業務も請け負う会社が多いです。
自社で運用保守のノウハウがない場合は、ホームページの安全性を保つためにも、保守運用を依頼することが効果的です。
まとめ
ホームページ制作は、実装に入るまでに企画や設計など重要な工程が控えており、公開後も、ホームページを維持するためにはさまざまな施策を講じる必要があります。
制作会社に依頼する場合は、見積もりはもちろん、制作会社の対応や得意分野など、さまざまな観点からベストな依頼先を見極めなければなりません。
自社制作の場合も制作会社へ依頼する場合も、事前に行う準備や制作期間の把握のために、ホームページ制作の流れは理解しておきましょう。