目次
WordPressが抱える4つのセキュリティリスク
WordPressが抱えるセキュリティリスクには、おもに以下4つがあげられます。
- 不正アクセス
- Webサイトの改ざん
- 情報漏えい
- サイバー攻撃への利用
自社サイトがこれらの被害にあった場合、業務に支障を来す恐れがあります。それぞれのリスクについて、きちんと理解しておきましょう。
1.不正アクセス
基本的にWordPressは、メールアドレスやパスワードで管理者画面にログインします。しかし、パスワードが自分の生年月日であるなどログイン情報が特定しやすい場合、不正アクセスされる恐れがあります。
不正アクセスされるとWebサイトが改ざんされたり、機密情報が抜き取られたりする可能性があるため注意が必要です。とくに顧客の個人情報などをWordPress内で管理している人は、不正アクセスを防ぐセキュリティ対策が必要不可欠でしょう。
2.Webサイトの改ざん
Webサイトの改ざんとは、サイトの内容が管理者以外の第三者により無断で書き換えられてしまうことを指します。不正アクセスしやすいことが原因で起こることが多く、Webサイトの閲覧者を別のページに移動させたり、サイトをウィルスに感染させるように仕向けたりと非常に悪質です。
また、ウィルスなどのマルウェア感染を招くファイルを貼り付けたメールを送り、管理者用のパソコンを感染させてWebサイトの改ざんをする手口もあります。怪しいメールは開かないなど、セキュリティ対策の意識を持つことで防げる被害も多いでしょう。
3.情報漏えい
WordPress内で社員情報や顧客情報などの個人情報を管理している場合、不正アクセスされた際に情報漏えいする可能性があります。
情報漏えいは会社の信頼を落とす大きな原因になります。業績が落ちるだけでなく、場合によっては損害賠償を請求される恐れもあるため、情報漏えいを防ぐセキュリティは万全にすることが重要です。
4.サイバー攻撃への利用
サイバー攻撃の被害を受けるだけでなく、サイトを乗っ取られたことによりサイバー攻撃の拠点にされる可能性があります。別のサイトやパソコンを攻撃する最終目的のために、セキュリティが弱いパソコンやサイトに侵入します。
侵入したパソコンからサイバー攻撃をすることで、侵入されたパソコンやサイトの持ち主が攻撃の疑いをかけられるため、隠ぺい工作ともいえるでしょう。
WordPressのセキュリティが脆弱とされる3つの理由
WordPressのセキュリティが脆弱になってしまう理由として以下3つがあげられます。
- 利用者が多い
- ユーザーのセキュリティ意識が低い
- 管理画面がWeb上に存在している
ここからは理由について詳しく解説します。WordPress本体の問題ではなく、ユーザー側の意識の問題も関わっているようです。理由について理解しておくことで、セキュリティ対策方法も理解しやすくなるため、確認しておきましょう。
1.利用者が多い
WordPressは専門知識がなくても簡単にサイトを作成できる使いやすさから、世界でもシェア率は1位を誇っています。利用者が多いと効率よくセキュリティが弱いサイトを見つけられるため、WordPressを狙ったハッカーが多く存在するようです。
2.ユーザーのセキュリティ意識が低い
WordPressのユーザーはWebサイトに対する専門知識がない初心者なことも多くあります。そのため、セキュリティ意識も低く脆弱なサイトである可能性が高いでしょう。ハッカーは、WordPressのユーザーがセキュリティ意識が低いことを熟知しています。
そのため、不正アクセスだけでなくサイバー攻撃の拠点に使われるなどの乗っ取り被害にあう恐れがあります。
3.管理画面がWeb上に存在している
WordPressの管理画面がWeb上にあることもセキュリティが脆弱になる原因の一つです。WordPressの管理画面は、サイトのURLにwp-adminをつけて検索すると簡単にログインページにたどり着けます。
そのため、メールアドレスやID、パスワードさえ分かれば誰でも入れてしまうのがWordPressのセキュリティが低い最大の原因です。
すぐに実践できる5つのWordPressセキュリティ対策
WordPressのセキュリティ対策のうち、以下5つは初心者でもすぐに実践できます。
- 複雑なパスワードを設定する
- 定期的にテーマやプラグインを更新する
- 外部からアクセスできないようにする
- セキュリティ対策用のプラグインを導入する
- 定期的にバックアップを取得する
WordPressのセキュリティ対策は、基本的にボタン一つで完了するなど簡単に操作できるものがほとんどです。セキュリティ対策をしていない人は、すぐに実践しましょう。
対策1.複雑なパスワードを設定する
WordPressは管理画面にログインするページまで誰でも入れます。そのため、IDとパスワードは絶対に特定されない複雑なものを設定しましょう。
特に名前や生年月日など、特定されやすいものは避けて記号も使いながら設定するとセキュリティに強いパスワードになります。
また、パスワードを定期的に変更することもセキュリティ対策には効果的です。長期間変えずにいると特定されやすくなるため、複雑なパスワードに設定しても定期的に変更するようにしましょう。
対策2.定期的にテーマやプラグインを更新する
テーマやプラグインは、常に高いセキュリティを維持するため定期的に更新されています。
テーマやプラグインは、開発時にセキュリティ対策がされているケースが多くあります。しかし、使用していくうちに新たな脆弱性が発見されたり最新のハッキング手口に対応したりするために定期的な更新は必要不可欠です。
自動更新機能もありますが、テーマやプラグインによっては手動で更新しなければならないものもあります。そのため、更新するテーマやプラグインはないか、頻繁に確認することが重要です。
対策3.外部からアクセスできないようにする
ハッカーの被害にあう最も大きな原因は、不正アクセスによるものです。外部からのアクセスを完全に防げれば、情報漏えいやWebサイトの改ざんなど多くの被害を防ぐことにつながります。
アクセスを防ぐ方法として、FTPソフトでファイルのパーミッションを400に設定するのが効果的です。WordPressのデータやファイルにアクセスができないようになるため、ハッキング被害を防げるでしょう。
対策4.セキュリティ対策用のプラグインを導入する
プラグインには、セキュリティ対策用のものも多く高機能なセキュリティ対策が無料で使えます。プラグインの導入は非常に簡単なため、すぐにでも実践できるでしょう。
スパムメールをブロックしたり、管理画面にログインするURLを変更したりとセキュリティを簡単に強化できます。初心者でもすぐにできるため非常におすすめです。
対策5.定期的にバックアップを取得する
Webサイトが改ざんされたりデータを破壊されたりしても復元できるように、バックアップは定期的にとっておきましょう。
バックアップがあれば被害前の状態に戻すことができます。万が一ハッキング被害にあったときのために、被害を最小限に抑えられる対策もしておきましょう。
WordPressのセキュリティについてよくある4つの質問
WordPressのセキュリティ対策についてよくある質問として、以下4つがあげられます。
- WordPressのセキュリティリスクを診断する方法はありますか?
- おすすめのセキュリティ対策用のプラグインはありますか?
- もし不正アクセスを受けてしまったらどうすればいい?
- WordPress以外の代替策はありますか?
ここからは、質問について詳しく解説します。
質問1.WordPressのセキュリティリスクを診断する方法はありますか?
WordPressのセキュリティ強度を簡単に診断できるツールがあります。以下の2種類があり、無料で使えるため一度診断してみることをおすすめします。
- WPdoctor
- WPScans.com
WPdoctorは、無料でも細かく診断してもらえると評判のためおすすめです。
WPScans.comは、セキュリティ対策が十分であるかまでしか無料で診断できません。修正点など、さらに詳しい評価が欲しい場合は料金がかかるため注意が必要です。
質問2.おすすめのセキュリティ対策用のプラグインはありますか?
おすすめのプラグインとして、以下4つがあげられます。
- Google Authenticator
- All In One WP Security & Firewall
- SiteGuard WP Plugin
- Akismet
プラグインは、導入後自動的に稼働するわけではありません。導入する際は、インストール後に必ず設定を有効にしましょう。
質問3.もし不正アクセスを受けてしまったらどうすればいい?
不正なアクセスを受けるとウイルス感染を引き起こす恐れがあるため、すぐに使用中のネット環境やWordPress内に変化がないか確認しましょう。
また、ウイルス感染するとWordPressだけでなくほかのプログラムにも影響を及ぼします。なるべく早くデータをリセットし、バックアップなどからアップロードし直しましょう。
質問4.WordPress以外の代替策はありますか?
WordPressのようにデザイン・機能ともに優れているCMSでなくてもいい場合、WordPress以外にも簡易型のCMSを使用することをおすすめします。
更新機能に特化しているものが多いのが特徴です。用途目的が情報更新のみなど限定的な場合は、セキュリティ対策を重視してWordPress以外のCMSを使用するのもいいでしょう。
まとめ
今回はWordPressのセキュリティについて、脆弱になる理由や対策をご紹介してきました。誰でも使いやすいため利用者が多く、正しく使いこなせれば便利なサービスです。しかし、ユーザーのセキュリティ意識の低さなどからハッキングのターゲットになりやすい懸念点があります。
プラグインなどの簡単なセキュリティ対策も可能なため、この記事を参考に自身のサイトのセキュリティを見直すことをおすすめします。